【 凛rin life 】 Vol.016

このメールマガジンは、着物を始めとした日本文化やファッション、ライフスタイル、クリエイター裏話などの話題を【KUDEN by TAKAHIRO SATO】が、毎週金曜日にファッションデザイナー佐藤貴浩の主筆でお送り致します。
障がいある息子と働く場所を作る為に43歳でファッションデザイナーになり、海外に向けてクリエイターとして経営者として挑戦する僕の、サイトではなかなかお話しできない視点と私見をお伝えいたします

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┃K┃U┃D┃E┃N┃【 凛rin life 】
Vol.016
/ 2023年5月12日発行 /

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■目次
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… 1. 日本伝統芸能「人形浄瑠璃文楽」の世界 その5
… 2. お知らせ
… 3. KUDENチャリティー原作連載【小説 KUDEN Samurai Sword Jam】
 第五話 「鋼の刀」その2
… 4. 近況
… 5. Q&A
… 6. メディア掲載&連載のお知らせとメルマガのコンテンツ紹介
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■ 1. 日本の伝統文化とは?|芸能・工芸・行事・衣食住にまつわること

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江戸時代、日光東照宮を建築する時に木工など多くの職人が移り住んだ日光。
そんな地に生まれた僕の幼少期は様々な職人さんとの触れ合いが多く、僕の生まれ育った近所に腕利きの刃物鍛冶の職人さんが住んでいて、小さい頃から可愛がって下さり刃物鍛冶を習ったりしました。
その体験がものつくりが大好きな僕のデザインのインスピレーションの原点です。
日本の伝統文化。芸能・工芸・行事・衣食住にまつわることをデザイナーの視点で紹介します。
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【日本伝統芸能「人形浄瑠璃文楽」の世界】その5

人形浄瑠璃文楽。
物語を三味線や琵琶などの楽器とともに語り聴かせる「語りもの」という芸能「浄瑠璃」に人形を操る芸能が結びつき、「人形浄瑠璃」が生まれました。
※「語りもの」・・・日本中世にはじまった口承文芸・音楽もしくは芸能のジャンルまたは演目を差す。
※ 浄瑠璃(じょうるり)は、三味線を伴奏楽器として太夫が詞章(ししょう)を語る音曲・劇場音楽

人形浄瑠璃文楽を構成する役割は3つあります。それを「三業(さんぎょう)」と呼びます。
太夫、三味線、人形遣いの「三業」で成り立つ三位一体の総合エンターテイメントです。


KUDENのグローバルアンバサダーを務めてくださる豊竹咲寿さんは上記の中での「太夫」です。
豊竹咲寿さんが何故太夫になったのか?など動画インタビューを交えて全三回ご紹介して参ります。

第三回目の公開です。
ぜひサイトでご覧ください。


また、咲寿太夫さんが出演する文楽の東京公演が11日からスタート。

文楽公演 〜東京〜
公演期間2023年5月11日(木)~2023年5月30日(火)開演時間
場所:国立劇場 〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1

第一部 午前10時45分開演(午後1時30分終演予定)
第二部 午後2時開演(午後5時15分終演予定)
第三部 午後5時45分開演(午後8時40分終演予定)

※開場時間は、開演30分前の予定です。
※各部、休憩がございます。
※18日(木)は休演

●第一部 (午前10時45分開演)●
通し狂言 菅原伝授手習鑑 (すがわらでんじゅてならいかがみ)
初段
 大内の段
 加茂堤の段
 筆法伝授の段
 築地の段

●第二部 (午後2時開演)●
通し狂言 菅原伝授手習鑑
(すがわらでんじゅてならいかがみ)
二段目
 道行詞の甘替
 安井汐待の段
 杖折檻の段
 東天紅の段
 宿禰太郎詮議の段
 丞相名残の段

※9月公演にて『菅原伝授手習鑑』三段目~五段目を上演予定です。

●第三部 (午後5時45分開演)●
夏祭浪花鑑
(なつまつりなにわかがみ)
 住吉鳥居前の段
 内本町道具屋の段
 釣船三婦内の段
 長町裏の段


(字幕表示がございます)

主催=独立行政法人日本芸術文化振興会

チケットなど詳しくは>>
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2023/5512.html

英語版
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2023/5512.html?lan=e

咲寿さんは第一部と第三部にご出演されます。
ぜひ、日本の伝統芸能を奥深さをご体験ください。

第三回 NEW
人形浄瑠璃文楽
豊竹咲寿太夫 X Tak

インタビューを見る

読む

第一回 
人形浄瑠璃文楽
豊竹咲寿太夫 X Tak

インタビューを見る

読む

第二回 
人形浄瑠璃文楽
豊竹咲寿太夫 X Tak

インタビューを見る

読む

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■ 2. お知らせ

★「KUDEN by TAKAHIRO SATO」からのお知らせ★

#着物を愛する人の洋服 #和モード
着付けの要らない現代の着物スタイルで、伝統的な着物に興味を持って貰う為に生まれたブランド「KUDEN by TAKAHIRO SATO」。


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【お届け目安】
8月~9月発送予定

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皆様の素敵なレビューをお待ちしております。

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■ 3. KUDENチャリティー原作連載「小説 KUDEN Samurai Sword Jam」

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あなたの好きな 「カッコいい&カワイイ」を着ることで 世界をほんのちょっとだけ良くする!
知的障害で自閉症の息子を持つ父親が立ち上げたファッションブランドKUDENと日本が誇るアニメーターや漫画家、イラストレーターたちがチャリティープロジェクトのためにコラボレーション。
この小説は2021-2022にスタートしたアニメ・マンガの力を借りて障害福祉事業所と縫製工場に仕事を創るチャリティーが切っ掛けで生まれた原作小説です。
TVアニメ「蒼き流星SPTレイズナー」の高橋良輔監督(装甲騎兵ボトムズ、太陽の牙ダグラム)キャラクターデザイン谷口守泰先生(装甲騎兵ボトムズ作画監督、キャプテン翼演出、作画監督、サムライチャンプルー作画監督)のコンビ(メカニックデザイナー大河原邦男先生からの応援コメントも頂きました)をはじめ、声優の井上和彦さん(NARUTOカカシ先生、夏目友人帳ニャンコ先生)、佐々木るんさん(クラッシャージョウ アルフィン、マクロス ヴァネッサ・レイアード)をはじめ、豪華なアニメーターや漫画家、イラストレーターの先生達がKUDENの服を着たキャラクターを書き起こしてくださり、そのキャラクターデザインをKUDENの服や鞄にプリント。そのプリントやグッズの生産と発送を障害福祉事業所に依頼し、ただの寄付だけではない、お仕事を創るチャリティ-を行いました。(現在は常設化に向けて再準備中)
そのキャラクターと世界観をKUDENの佐藤貴浩が小説化し、ホビージャパン社のノベルアップ+にて連載!
障害ある息子のために奮闘する最後の刀鍛冶の父親のお話。
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小説 「KUDEN 口伝 -Samurai Sword Jam-」

第五話 「鋼の刀」 その2

「侍団には特別に数本、鋼の刀が国から使用を許可されています。特別武装隊である、一番から三番隊の隊長は鋼の刀の所持を許されています。また鋼の刀の真の力を解放するにも許可が要り、相当の緊急事態でなければ使用できません。原田隊長が実際の刀の力を見ていないのはその為です」

原田は貴延と壱伍の戦いで発動した刀の威力を思い出しながら、合点がいくと無言で頷く。

「なるほどな。
鋼の刀は不思議な力がある。それは国家機密級の兵器だから極秘裏に探せ。との命令。
それはわかった。
でもさ、アーサー達の刀は、確かに柄や鞘、鍔など侍団の通常隊士の持つ刀よりも豪華だったりするが、ぱっと見、盗まれた鋼の刀を探すのに、装飾以外でどうやって見分けるんだ?
盗んだ刀の見た目を偽装するなんて訳ないぜ?!」

「あとさ、何で俺には抜けないんだ?どういう仕組?なんで?」

三銃郎を質問攻めにする原田。

今回集まった隊長副隊長クラスと班長クラスでも新参物にとっては、知られていない情報もあり、辺りがざわつき出す。

やれやれとばかりに大きなため息をついて貴延が話し始める。
「いいか、何度も言うが、俺は息子の夕飯の支度をするのに、今すぐにでも帰りたいんだ。手短に説明するからよく聞けよ」

三銃郎が質問攻めからの助け船を得てホッとした表情で貴延を紹介する。

「なので鋼の刀に詳しい方をお呼びした訳です。この星で唯一、鋼を鍛える事が出来る刀鍛治。宝竜斎貴延さんです。あ、もしかするとこの世界で唯一かも・・・」

そんな事はどうでも良いとばかりに話を続ける貴延。
「俺も先代の師匠に教わった受け売りに過ぎない。夢物語として聞いてくれ・・・」

貴延はそう言うと、静かに語り始めた。

「鋼の刀。それはかつての地球。日本という国の歴史まで遡る。侍と呼ばれるものが持った武器であり、侍は主君や家を守る為に刀を持ち生きた時代があった。鋼と鉄を人の手で叩き延ばし鍛えたその刀は切れ味鋭くしなやかで、そして美しいものであった。その武器でありながら美しい姿に、己の生き方や哲学を映し、いつしか武器というだけではなく、侍の心のあり方、魂そのものとしての象徴になっていった・・・」

貴延は大まかに日本という国がかつて地球にあったこと、その侍達が生きた時代と、その刀の歴史を語る。そして侍は”エド”と呼ばれる時代の後に姿を消したが、刀と人々の心には脈々と侍の魂が受け継がれており、悠久の時を経て人類が他星に移り出す過酷な時代に、また侍の心に目覚めた人々が現れ、人々を守る為に刀を持って戦い、その礎になった事などを語った。

集まった隊士達は、地球というかつての人類の母星のことを学校の教育などで知っていたが、自身が腰に差した刀や侍のルーツが、悠久の時を経て脈々と受け継がれて来たということを知り、自身が侍団の一員であることに改めて誇らしさを感じ、そこに居る誰もが貴延の話に耳を傾けていた。

原田が貴延に問いかける。
「その刀が何で不思議な力を持つようになったんだ?」

貴延は面倒くさそうに頭をかきながら、それでも原田を真正面に見据えて答える。

「原因はわからねぇ。俺も師匠に聞いた話だ。師匠も生まれる遙か昔に、ある日突然不思議な力が発動したと聞いている。師匠の推測では、やはりこの金星や火星などの他星に人類が移り住んだ時期と重なるらしい・・・」

「そうか。確かにそれは不思議な現象だな。現時点で原因不明っていうのもわかった。
じゃ、さっきのアーサーの言った鋼の刀は『主を選ぶ』という様な現象は何なんだ?何か知ってるんだろ貴!」

原田は貴延と壱伍の戦いの最中、貴延の刀が異様な力を発揮したことを暗にほのめかし再度問いかける。

貴延は三銃郎と近藤に「良いんだな?」と言わんばかりに睨みつけ、話を続けた。

「隊長クラスだから話すが、他言は無用だ。余計な争いに巻き込まれたくないんでな・・・。
今分かってることは、鋼の刀なら何でも不思議な力が発動する訳では無いらしい。地球の鋼、しかも人の手で鍛えし刀のみが、不思議な力を持つようだ」

貴延はアーサーに声をかけ、刀を預かる。
刀を右手で持ち、隊士達の目の前に突き出しながら更に話を続けた。

「刀を打つってぇのは、本当に骨の折れる仕事だ。今の時代じゃ機械で簡単に作れる物ばかりだが、人の手で思いを込めて打ち、鍛え作り上げる真の鋼の刀はそうはいかねぇ。
熱い炎と格闘して操り、長年の経験と勘を頼りに鋼と鉄と人の孤独な戦いとも言える。
何度打ってもこれだ!という完成の域にはほど遠い・・・打てば打つ程、もっともっとと終わりなき探究に心を奪われちまう。そんな職人の心が只の武器だけでは収まりきらない、美しい刀に磨き上げてきた。先人達の知恵と工夫と努力の結晶がこの鋼の刀に詰まっているのさ

貴延の顔が先ほどまでの面倒くさそうな表情では無く、熱を帯びた職人のそれとなっていた。

「刀は打った職人の思いが込められている。それだけじゃない。
刀を持つ者の思念が更に色濃く残るのさ。
こいつは武器だ。人殺しのな!
例えそれが誰かを守る為だとしても、人の生き血を吸い、人の命を終わらせる。
刀を持つ者の思い。その刀で命を落とした者の思い。
人の思いが幾十にも折り重なっていく・・・
それが刀の宿命だ」

貴延は感情的になった自分に気付き、努めて冷静な口調に戻した。

「作り手や持ち主の思念が込められた刀は悠久の時を経て、まるで意思を持ったかの様になっちまったのさ。
だから刀が持ち主を選ぶ。刀に主と認められた者以外は抜けないし真の力が発動する事はない。新たな持ち主は刀に”試し”を強いられるのさ。お前は俺に相応しいかどうか?ってな」

なるほどな。壱伍と名乗った悪党の頭に刀が抜けなかった事に得心した原田が貴延に続けた。

「どんな”試し”なんだ?!刀が主を選ぶ時の規準とかあるのか?
俺も使えんのか!?」

「さあな、”試し”は刀それぞれで違う。作り手や前の持ち主が誰だか、どんな思いや謂れがその刀にあったかなんて千差万別だからな・・・・。試されて見なきゃわからんというのが答えだ。まぁ、これは鍛冶屋の俺の感覚の話に近いんだが、強いていえば刀と主の魂の相性とでもいうのか、魂の色がお互いに合っている場合に”試し”が発動し、刀が主を決める様だ」

「魂の色??」

「そうさ、あくまで俺の感覚なんだが、人の魂には色がある。本当は複雑に絡んで見えるんだが、便宜上、大きく分けて七色。
不思議な力を発動する鋼の刀にももれなく魂の色があり、一度刀に主と認められた者もある程度魂の色が見える様になっている・・・な、永倉、ソウジ、アンジー?」

アーサーは頷き、無邪気なソウジとアンジーもニコニコ頷く。

「マジで?俺の魂は何色???ねぇ、気になる!」

貴延は原田のそれには答えず話を続ける。

たまに刀に選ばれなくてもナチュラルに見えるやつもいるそうだが、基本はそんな感じだ。赤・青・黄・緑・白・金・銀の七色。さっきも言ったが本当は複合していて絡み合っているんだが、便宜上一番強く発している色を規準にしている。
真の鋼の刀にもそれぞれ作り手や持ち主の思念が蓄積されていて、魂の色を持っている。
永倉なら”青”。アンジーは”黄”。ソウジは珍しい”白”が魂の色だ」

そう言うと貴延は手に持った刀を永倉に返しつつ、三銃郎に自分の刀を持ってくるように頼む。

「貴延さん、はい!」
腰に差すには大きな刀を抱えて三銃郎が戻ってくる。


「いやぁ、久し振りですね、雷切丸!!」
「んんっ」

思わず鞘にキスをする三銃郎に貴延が咳払いでそれをたしなめる。

しょんぼりした三銃郎が、名残惜しそうに雷切丸と呼ばれた刀を貴延に渡す。

「これは俺の刀の『雷切丸』だ。もともとは『千鳥』という名前だったが、雷や雷神を切ったという逸話から雷切丸と呼ばれた刀だったと伝わっている。こいつは前の持ち主から俺が引き受けた。こいつは名前の通り『雷』を操る力を秘めている」

そう言って、貴延は両の手で刀を持ち、鞘からその艶めかしいほど美しい刀身を少し抜いて見せた。

貴延が目を瞑り、一息を吐くその刹那、刀身に一瞬雷を纏った様な光を、その場にいた全員が目撃した。

「・・・ってな感じだ」

鋼の刀に秘められた真の力を目の当たりにした隊士達は一斉にどよめいた。

鞘に刀を収める貴延。

三銃郎が得意げに

「すごいでしょう!?僕は本当に刀が好きで、日夜研究に励んでいるのです!!
刀になぜこのような現象が起きるのか、まだ分かって居ない謎が多いのです。その為に国家機密として管理されています。貴延さんはその遙か地球の日本から受け継がれた刀のメンテナンスや研ぎを任されているんです!!最近は全然研究所に来てくれないので、今日はめちゃクチャうれし__」

「三銃郎」

副団長のジン・土方は話を遮ると、貴延の正面にたった。

「貴延さん。お願いがあります。
刀を見分ける事が出来るのはあなただけだ。
盗まれた刀を取り戻すために力を貸してください」

部下の隊士達の前で、深々と頭を下げるジン。

「ちっ、やっぱりな。呼ばれたときから俺は嫌だったんだ。もう二度と俺をやっかい事に巻き込むな・・・」

「貴!俺からも頼む。大勢の部下が次々と殺されてるんだ。あいつらの仇を討ちたいし、これ以上仲間を殺らせない!」

原田が貴延の手を握り、懇願する。

「・・・・・・くそっ、お前には借りがあるからな・・・」

「わかった・・・ただし、息子のタケルと一緒に行動させて貰う。あいつは俺が居なきゃダメなんだ。側に居てやらなきゃ・・・それが条件だ!」

「貴、恩に着る!」
「感謝する」

原田がはしゃぎ、ジンが今日初めて笑顔を見せる。

ジンは先ほどの笑顔が嘘かのように、表情が変わりいつもの冷静な顔になり、四番隊のリーを呼び、宇宙エレベーターのテロと研究員2名の失踪事件の防衛団との合同特別捜査本部のメンバーへの指示をしたあと一旦会議を解散させた

会議に参加した隊長クラスの隊士達は、ざわつきながらも、

一歩会議室から抜け出すと、仲間の無念を晴らし、事件解決に向けて険しい表情で各隊に指令を出すべく一斉に歩き出した。

真の鋼の刀の盗難事件に関して、貴延を中心にチームのメンバーの選定を話し合う為に会議室に残ったメンバー。


貴延は手にした雷切丸にそっと話しかける。

・・・タケルは必ず守る・・・お前と約束したからな・・・

第五話 「鋼の刀」 完

次週に続く。

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■ 4. 近況


皆さんこんにちは。デザイナーのTakこと佐藤貴浩です。

日本では春の嵐というのか、寒暖差が激しい天気が続いています。
息子も抗がん剤治療をする父も体調を崩してしまい、看病に追われながらも撮影準備や小説下巻に向けてのプロット構想などを進めていった一週間でした。

来週はアンバサダーを務める咲寿さんと撮影を行うことになり、準備を進めています。
また、薄手のコートで使用される生地を使用して、秋冬口のKimonoガウンが出来ないか、生地の選定とサンプル縫製の準備を進めています。

また昨年、外務省のサポートを受けて日本の文化を海外に紹介するJapan UP Closeさんのインタビューを受けました。英語の字幕もあります。
よろしければぜひご覧ください。

Kimono 2.0 – An Interview with Takahiro Sato
https://youtu.be/9h8cWFtRijo

コンシェルジュサービスで少し話題をだしていた、Jacketなどのプロが出荷前の様にアイロンをかける再プレスサービスとSamurai Mode Shirt IIやKASANEShirtをある程度着ていただいた方に、染め直してもっと長く愛着持って来ていただくサービスが開始出来ないか検討を始めています。
長く楽しんで来ていただける工夫も増やせていけたらと思っています。

読んでくださってありがとうございます。
また次週お会いしましょう。

Tak

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■ 5.Q&A

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
▽KUDENやデザイナーのTakへの質問募集▼
KUDEN by TAKAHIRO SATOやデザイナー佐藤貴浩へのご意見、ご要望、質問などを募集します。
頂いた質問は、毎週メールマガジンでお答えいたします。
皆さまのご質問をおまちしております。

質問フォーム
「メルマガQ&A係」と記載してからお送りください。
https://ku-den.jp/ja/pages/contact

全ての質問に必ずしも答えられるわけではありませんので事前にご了承ください。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


今週は筆者多忙のためQ&Aはお休みです。
ご質問くださった方には次週よりお答えして参ります。


【ご質問はこちらから】
「メルマガQ&A係」と記載してからお送りください。
フォームはこちら>>

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■ 6.メディア掲載&連載のお知らせ


ーー【メディア掲載】ーーーーーーーーーーーーーーーーー

新進気鋭のFashion Magazine
・AVESSA MAGAZINE

https://www.avessa.com/on-virtues-and-vices/

SF冒険活劇
「小説 KUDEN Samurai Sword Jam」
・日本語版 
ホビージャパン社 ノベルアップ+様
 無料公開中
https://novelup.plus/feature/kuden/

・英語版
小説投稿サイト「Whattpad」で連載中!
https://www.wattpad.com/story/307475614-kuden-%E5%8F%A3%E4%BC%9D-samurai-sword-jam

ーー【メルマガのコンテンツ紹介】ーーーーーーーーーーーーーーーーー
メールマガジン凛rin lifeで連載中のコンテンツを紹介します。
コンテンツは毎週不定期で連載されて参ります。
メールマガジン購読者の方はサイトでアーカイブ記事がお読みになれますので、
気になった記事がありましたら、ぜひお読みください。


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日本伝統芸能「人形浄瑠璃文楽」の世界を紹介中です。
(最新記事はVol.002掲載のその2)


●スタッフセナ連載「KUDENの服のお手入れポイント」 
KUDENスタッフのセナはPRと翻訳、声優も担当。だが社内ではアイロンマスターの異名を取ります。もともとアイロン掛けが好きで、KUDENの撮影の前にはセナがアイロン掛けを行っています。KUDENの服は他のブランドに無いギミックやデザインの為、アイロン掛けにもコツが要ります。縫製職人やコンシェルジュにコツを伝授して貰っているセナがお送りするお手入れコーナーです。

「Samurai Mode Seriesの自宅で洗える?or 洗えない?リスト」
(最新記事はVol.003掲載)


●KUDENヒストリー「旅するように暮らそう。」
破産し病に倒れ、息子と離ればなれになりどん底に落ち込んでから、障害ある息子と将来働く場所を作りたい。そう再起しKUDENを立ち上げました。
様々な人との出会いを経て今のKUDENがあります。
ファッションなどのデザイナーになりたい人。こんな時代の新規事業を起ち上げ方に興味がある人。KUDENの服を気に入ってくださり更にKUDENを深く知りたい人。
苦しい逆境にあって乗り越えるヒントが欲しい人、障がいある子ども達を愛する人へ向けて、KUDENの成り立ちから今までを思い出して回顧録を紡いで参ります。


→KUDENヒストリー「旅するように暮らそう。」その3「フィリピン滞在編 父として経営者としての横顔」
(最新記事はVol.006掲載)


○アーカイブ記事はこちらから
https://ku-den.jp/ja/blogs/mail-magazine-rin-life

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