加賀友禅:主線の色のはなし

Kaga Yuzen : Frame line color - KUDEN by TAKAHIRO SATO




加賀友禅の主線は”白”

皆さんこんにちは。
前回は日本の着物の一つである”加賀友禅”の伝統的な5色について紹介しました。

今回も、加賀友禅の色のお話。

加賀友禅といえば、石川の自然をモチーフにした図案が多く、写実的で落ち着いた雰囲気のデザインが多いですよね。
金箔や刺繍などを駆使した煌びやかな京友禅とはまた違った魅力の加賀友禅では、
金箔も刺繍も使わずほぼ染めの技術のみで作られるんだとか。
(加賀友禅の特徴的な技法についてはまた別の機会に!)

そんな加賀友禅の一つの特徴が”白い主線”だと私は思っています。

普通、絵を描く時は皆さん黒やその他のくっきりとした色を選びますよね?
でも加賀友禅はその線が白。



これは加賀友禅の染め方と密接に関わっています。
手書きの加賀友禅では、下絵をうすく描いたあと、その線を糊付けして他の色が入らないようにします。
いわゆるマスキングですね。
そして周りを染めて、最後にその主線の糊を水で洗い落とすんです。
(古くは川で行われた作業だそうですよ)
そうするとあら不思議。
主線はマスキングされているので白いまま。
これで白主線の完成です。

今度街中やテレビで着物を見かけた時、是非主線の色にも注目してみてくださいね!