Social design
-Next Kimono-
ハレの日から日常へ 日本から世界へ

Social Design
※一般にソーシャルデザインとは社会の問題を解決するためのデザインという意味で用いられます

失われつつある日本の伝統的な着物文化
着物と和裁について
問題
解決策
伝統的な着物の特徴

ロングライフデザイン
江戸時代から現代までおよそ400年以上経ってもほとんど形が変わっていないロングライフデザインである。

1デザイン
洋服はシャツ、ワンピース、カットソーなど様々なデザインがあるが、日本の着物は一つのパターンしかない。テキスタイルや生地によってフォーマルやカジュアルを使い分ける。
和裁は"kimono"ありきの作り方の思想
●洋裁の特徴
”人”ありきの作り方の思想
- 着る人の体に合わせ立体的な服を作る
- 型紙が存在し、布を断裁をする
- 反物(生地)に戻すことを想定していない
●和裁の特徴
“kimono”ありきの作り方の思想
-着る人の体に合わせ1本の反物の長さを決める
-型紙が存在しない。直線的に裁断するだけ
-反物(生地)に戻すことを想定している

着物を縫製する技術は失われようとしている。
- 日本人ですら着物を着て生活することが難しい。着物の需要は減少し市場は下降している。
- 長きにわたり使われてきた和裁という技術も、着物需要の現象により姿を消しつつある。
- 職人の高齢化と後継者不足の問題が深刻化。このままでは誰も着物を作り出すことができなくなる。
和裁は"kimono"ありきの作り方の思想

・1970年代後半に入って洋装スタイルの一般化が急速に進展し着物重要が減少。販売数量の下落分をカバーする為、販売店は晴れ着といった製品単価を上げる戦略をとった。こうして着物は特別で高価なものとなり、日常から姿を消した。
・kimono職人だけがkimonoを作る和裁という特別な技術を有している。
しかし職人の高齢化、後継者不足といった問題によりkimono職人は減少している。
・伝統的なkimonoの生地は限定的にしか生産されず、結果的にkimonoをより高価にしている。

・kimonoを自分で着るには着付けという技術が必要。洋服を着る事よりもかなり複雑で、勉強が必要。
・着付けを身につける為に学校に通ったりワークショップに参加するか、美容室などで着付けてもらう必要がある。

・kimonoは特別な日や冠婚葬祭の為のものとして認識されるようになった
・ライフスタイルや気候の変化に伝統的な着物が適していない。






・和裁の技術を使わず洋裁を採用することで、今ある縫製工場で生産を可能にした

・日々の生活の中で着られる日常着としてリデザイン

・通気性のある構造をデザインや生地の素材で、快適な着心地を実現。ポケットをつけるなど機能性を高め、忙しい現代のライフスタイルに適応させた。
・kimonoを3ピースにしたことで、ジャケットやパンツ単体だけでもライフスタイルに取り入れられるよう汎用性を持たせた
・手持ちの服と組み合わせることができるので、自分なりの着こなしを楽しめるようにした


kimonoの文化を守るためのロードマップ
まずは世界中のkimonoに興味がある人に、入門編として着付けが入らないNext kimonoを着てもらい、Kimonoを愛する人を増やします。
その後にトラディショナルkimonoについて深く知ってもらうことが、kimonoの文化を守ることにつながると考えます。
今あるkimonoを大切にするサスティナブルな取り組みとしてhaoru by KUDENというもう一つのラインがあります。 最終的にはトラディショナルなkimonoも扱っていきたいと考えています。
失われる和裁と洋裁の高い縫製技術
問題
解決策


・流行を追いかけた使い捨てのデザインにより、低単価、短納期で毎回一から難易度の高い縫製を求められる
・ブランド都合によるセールや薄利多売を前提とした価格設定により、不適正な低い縫製工賃を強いられている

・ラナプラザのダッカビル崩壊事故など、世界中で劣悪な労働環境が引き起こす悲惨な事件が起こっている


なぜ一つの型を作り続けることが縫製工場の 負担軽減につながるのか?
同じデザイン、構成の服を作り続けることで縫製の技術や熟練度が上がり、 より良い品質のものを短時間で作れるようになる。 よって、作ればつくるほど縫製の効率化と負担軽減につながる。


Next Kimonoをトリガーに、
伝統的な着物と和裁、洋裁の高い縫製技術を次の世代へと繋げていきたい。

