父として、職人として、アーティストとして。尚さんとの出会いから
KUDENのデザイナー、Takこと佐藤貴浩です。
今回は、現在制作中のオンラインマガジン『KUDEN rinlife Magazine』創刊号で特集する、大切な出会いについてお話しさせてください。
創刊号で取り上げているのは、京都で“濡れ描き友禅”という伝統技法を現代の感性で表現するアーティスト、「濡れ描き友禅 碧ao」の尚(なお)さんです。
SNSを通じて感じた共鳴と、ご縁でつながった初対面
まさに運命のようなご縁は、KUDENと濡れ友禅紺碧ao 、両方を応援してくださっていたお客様が引き合わせてくださいました。
ナオさんも僕も「息子のために、自分たちにできる仕事をつくろう」と、それぞれブランドを立ち上げた父親同士です。年齢も近く、職人とデザイナーという違いはあっても、「次の世代に何かを繋ぎたい」という根っこの部分は同じでした。
気がつけば、初対面とは思えないほど深く語り合っていました。
濡れ描き友禅という、生地に命を吹き込む技法
尚さんが手がける“濡れ描き友禅”は、筆にたっぷりと水分を含ませて布の上に描く、日本の伝統的な染色技法。
滲みながら布の上で模様が広がっていく様は、まるで生き物が呼吸するようです。
尚さんの繊細かつ大胆な筆さばきで描かれた植物や生き物たちは、本当に美しくて、静かで、でも確かな生命力を感じます。
その描く姿に、僕は「職人」というよりも、「アーティスト」という言葉のほうがしっくりくると感じました。
一着ずつ手描きされる、世界に一枚だけの特別なシャツ
「Samurai Mode Shirt II – YUZEN –」
そして、そのナオさんの技術とKUDENのファッションが出会ったのが、「Samurai Mode Shirt II – YUZEN –」。KUDENの定番シャツ「Samurai Mode Shirt II」に、尚さんが龍や
桜のモチーフを一着一着、手描きで仕上げてくださるのが、「YUZENモデル」です。 ミニマルで機能的なKUDENのデザインに、尚さんの柔らかく流れるような筆致が溶け込むことで、「伝統とモードの融合」とも呼べる一着に仕上がりました。
すべての工程を尚さんが手作業で仕上げる、まさに一点ものの特別なシャツです。
このコラボレーションは、KUDENというブランドの中でも特に大切にしているプロジェクトの一つです。
今後もナオさんとは、新たな企画をいくつか進めていきたいと考えています。
『KUDEN rinlife Magazine』で尚さんの物語を特集します
尚さんとの出会い、そしてコラボレーションの背景にある物語を、現在制作中のKUDENのオンラインマガジン『KUDEN rinlife Magazine』創刊号にて特集予定です。
昨年11月には京都の店舗兼工房を訪れ、取材と撮影を行いました。
工房に流れる静かな空気、職人としての姿勢、そして父としての想い──それらを丁寧に記録しました。
映像は、KUDENのブランドビジュアルを長年支えてくれているカメラマン・新井さんが撮影。
動画コンテンツとして、日本語と英語の両方で世界に発信できるよう準備しています。
読者も参加できる「編集部フォーラム」
KUDENは、職人の技術や想いを「ただ伝える」だけでなく、「次の世代に繋ぐ」ことを目指しています。
その第一歩が、オンラインマガジン『KUDEN rinlife Magazine』。
さらに、読者が雑誌づくりに参加できる「編集部フォーラム」もご用意しています。
・取材してほしい職人さんや作家さんの紹介
・記事で取り上げてほしいテーマ
・インタビューで聞いてみたいこと など
あなたのアイデアが、実際の企画に反映されるかもしれません。
もちろん、見るだけの参加も大歓迎です。
最後に
尚さんとの出会いは、KUDENにとってとても大切なご縁であり、これから始まる新しい挑戦の第一歩でもあります。
創刊号では、尚さんの手仕事と想い、そして父としての物語をじっくりとお届けします。
コラボレーションシャツ「Samurai Mode Shirt II – YUZEN –」とあわせて、ぜひ楽しみにしていてください。