KUDENヒストリー「旅するように暮らそう。」その3
「フィリピン滞在編 父として経営者としての横顔」
どうしても聞いてみたかったのは、村長さんの村に対する思い。 未来に対する思い。 日本の村と違って、規模の小さい村の単位だからこそ、村民は家族だという想いが伝わってくる。 僕は村長を一人の経営者と見立てていて、同じ経営者として、是非とも話を聞いてみたくなった。英語を話せないことも忘れて。 このカタラタラーン村ではPO(ピープルオーガニゼーション)という住民組織の「ナグマカパック」を組織して、村を挙げて国の進める森林再生プロジェクトに参加している。 村長さん曰く、ナグマカパック(PO)の朝は早く、日の出と共に活動を開始する。カタラタラーン村の住民は殆どが農民で自分の土地を持たない小作人である。 農業では地主に地代を納めてとんとんの生活。 余剰利益を農業だけで生み出すことはできていない。
森林再生のプロジェクトでメインインカムは2つ。 1、政府から日当 2、NGPからは基金 (基金の使い道:POの集会所、送迎や送迎ビジネスに使う車、カラオケやウォーターサーバなどをレンタルビジネスに投資)
農業以外に、森林再生プロジェクトを通して収入を得ることでより良い生活が出来る様になってきた。 ただしナショナルグリーンプロジェクトが2016年度で一応の終了を迎える。 引き続きこの活動が続けられるように、熱く語る村長。 村には専門家と呼ばれる人間(教師、警察官など)が300人中4人しかいない。 森林再生での収益を子ども達の教育にあてて、大学を卒業する人を増やしたいと語っていた。 アンバランスの原因も分かった。 子ども達の未来の為に水道よりもインターネットを引いたと言っていた。 朝一番の鶏が鳴く。POメンバーがそろそろ出勤する頃だ。朝日を浴びた村長さんの顔は責任と重圧を受けて、それでも家族を愛する父の顔だった。
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当時の会社案内に掲載した記事はここまで。 フィリピンでの学び。 2023年の現在の視点で当時の様子を振り返ります。
次回に続きます。
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