【 凛rin life 】 Vol.005

このメールマガジンは、着物を始めとした日本文化やファッション、ライフスタイル、クリエイター裏話などの話題を【KUDEN by TAKAHIRO SATO】が、毎週金曜日にファッションデザイナー佐藤貴浩の主筆でお送り致します。
障がいある息子と働く場所を作る為に43歳でファッションデザイナーになり、海外に向けてクリエイターとして経営者として挑戦する僕の、サイトではなかなかお話しできない視点と私見をお伝えいたします

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┃K┃U┃D┃E┃N┃【 凛rin life 】
Vol.005
/ 2023年2月24日発行 /

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■目次
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… 1. お知らせ
… 2. 近況
… 3. KUDENチャリティー原作連載【小説 KUDEN Samurai Sword Jam】
 第二話 「車椅子の侍」その2
… 4. KUDENヒストリー「旅するように暮らそう。」その2
… 5. Q&A
… 6. メディア掲載&連載のお知らせとメルマガのコンテンツ紹介
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■ 1. お知らせ

★「KUDEN by TAKAHIRO SATO」からのお知らせ★

#着物を愛する人の洋服 #和モード
着付けの要らない現代の着物スタイルで、伝統的な着物に興味を持って貰う為に生まれたブランド「KUDEN by TAKAHIRO SATO」。


2月28日(火)に〆切りになるイベントが盛りだくさん。
現在KUDEN by TAKAHIRO SATOで開催中のストアイベントは・・・

●メルマガ読者限定プレゼント!Samurai Mode Vneck Tshirtモニターキャンペーン
●5%OFF!![先行予約販売] Samurai Mode Shirt II KASANE
●2月の受注会 Samurai Mode Jacket&Samurai Mode Pants II


大変好評戴いておりました19日〆切りの2月の受注会ですが、
縫製工場と生産の打合せをスタートし、生地などを裁断計画を進めたところ、追加でお客様へご提供できる生地が若干あることが解りました。
そのため数量限定ですが、受注期間を2月28日(火)に延長させて戴きます。
4月、5月の春の風をSamurai Mode でKimonoスタイルを楽しみませんか?
ぜひこの機会をお見逃し無く!

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<<メルマガ読者限定プレゼント!>>
【Samurai Mode Vneck Tshirtモニターキャンペーン】


高級100%コットン非ウイグル綿使用
KUDENの和モードに合う、一枚でも様になって着物襟にあわせても上品なVネックTシャツ。
通常のTシャツのボックス型のシルエットと違い、着たときにシャープな印象を与える少しタイト目のデザイン。
綿100%にも関わらず、UVカットと接触冷感を備える高品質な生地を使用。

<応募方法>

対象者
メールマガジン購読者で商品レビューを書いてくださる方

プレゼント商品
Samurai Mode Vneck Tshirt 5名様
[https://ku-den.jp/ja/collections/tops/products/samurai-mode-vneck-tshirt]

〆切り
2/28(金) 23:59 (JST)迄

当選発表
3/3(金) 当選者のみメールにてご連絡


下記URLから応募フォームでお好きなサイズとカラーを選んだ上でご応募ください。
抽選のうえ当選者にはメールマガジン購読されているメールアドレスに当選メールをお送り致します。
KUDENの会員登録していただき、住所などの発送に必要な情報を入力。
Vneck Tshirtをお手元に発送致します。
商品到着から数日してからKUDENよりレビュー依頼のメールが送られます。
着心地などの感想をレビューしてください。
皆さまの素敵なレビューをお待ちしています。

応募フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf7FKwJ2ll9lCN3x0kBXAUE0mpadePpoY2-F76AVDihgtL8sg/viewform?usp=sf_link


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【 5%OFF!![先行予約販売] Samurai Mode Shirt II KASANE】

<予約期間>
メルマガ購読者先行予約販売
02/11(土)18:00(JST) 〜2/12(日)18:00(JST)

一般先行予約販売
02/12(日)18:00(JST) 〜2/28(日)23:59(JST)

<注意点>
メルマガ購読者先行予約販売期間はメルマガ購読者のみ購入出来ます。
・先行予約特典5%OFF

サイズやカラーなど生産予定数を超えた場合は売り切れになります
・02/11(土)18:00(JST)以降にならないと購入出来ません。


<お届け目安>
4月に発送予定

<予約販売商品>
・Samurai Mode Shirt II - KASANE - Color&Collar 
・Samurai Mode Shirt II - KASANE - Color&Collar 半袖
・Samurai Mode Shirt II - KASANE - Lace Colla
・Samurai Mode Shirt II - KASANE - Lace Colla 半袖


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【2月の受注会 Samurai Mode Jacket&Samurai Mode Pants II】
メールマガジン購読の方は受注会通常5%OFF+メルマガ限定クーポン5%OFFで合わせて10%OFF

<受注期間>
02/04(土)18:00(JST) 〜2/28(日)23:59(JST)

<注意点>
・数量限定先着順で受付
・通常のお客様5%OFF

・メルマガ購読の方はVol.002/ 2023年2月3日発行 のメールに記載したクーポンコード使用で10%OFF


<お届け目安>
4月から5月の上旬までに発送予定

<受注商品>
・Samurai Mode Jacket スタンダードモデル
(表地:ブラックトリアセテート、裏地:ブラック)
・Samurai Mode Jacket カスタムモデル
(表地:ブラックトリアセテート、裏地:お好きなカラー)
・Samurai Mode Pants II スタンダードモデル
(表地:ブラックトリアセテート、裏地:ブラック)
・Samurai Mode Jacket Eco スタンダードモデル (表地:ブラック、裏地:ブラック)
・Samurai Mode Jacket Eco カスタムモデル
 (表地:ブラック、裏地:お好きなカラー)
・Samurai Mode Pants II Eco スタンダードモデル
(表地:ブラック、裏地:ブラック)


【再掲:2月受注会用メールマガジン購読者限定クーポンコード】

・メルマガ購読の方はVol.002/ 2023年2月3日発行 のメールに記載したクーポンコード使用で10%OFF
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■ 2. 近況

皆さんこんにちは。デザイナーのTakこと佐藤貴浩です。
2月22日に息子を僕が育てる事になってから7ヶ月目になりました。
そんな節目に、裁判所から親権と氏の変更についてOKが出たので市役所に入籍届を出してきました。
複雑な手続きも多く、色々な人に助けて貰いながらようやく一段落しました。
離れて暮らす息子と働く場所を創る夢から、KUDENをスタートして5年目。
肌身に成長を感じながら、読んでくださるあたなやスタッフ、様々の人のお力添えと応援に感謝し、父親の介護に育児にクリエーターとして全力で頑張ろうと気持ちを新たにしました。

今週は両身トワルを元に、パターンの修正を行いました。
日光にトワルを送って貰い、オンラインでパタンナーの谷川さんと打合せ。
息子の送迎と認知症の父の通院などで、なかなか東京に出れないため、オンラインで打合せできるのでとても助かっています。
トワルにチャコペンで指示を描いたり、安全ピンで位置を指定したり、時には切ったり縫ったりしてデザインのこだわりをパターンに反映させていきます。
また、縫製工場の縫いやすさ、お客様の着心地などもここでバランスを取る必要があります。
僕の服は小さなインディペンデントのブランドなので、何処でも買える服では、大手のブランドと勝負は出来ません。
そのためデザインにこだわって、お客様が長く飽きずに着られる服をと様々なギミック(半襟を付け替えられる、コルセットがある、ボタンで袖が捲れる等)を考えてデザインしています。
これであれば、たとえデザインを真似られてもギミックが多いため、縫製の工程が増えるので縫製工賃が上がります。大手はSALEで50%オフにしても利益が出るように縫製工場に圧力をかけ縫製工賃はかなり低くしていますので、ギミックが多い服は利益が沢山取れないので作れません、いや作りません。
また、これにより縫製難易度が高くなるため、高い技術の縫製工場しか縫えません。
今までの大手ブランドの自身の儲け主義のお陰で、国内の縫製工場は短納期と低工賃で使い捨てられて、既に高齢化と減少の一途です。
KUDENの服を作れる工場さんと職人さんを探すのがいつも苦労しますが、現在パートナーとしてKUDENを支えてくださっている方は、みな志が高く、技術を高める向上心を失わない素晴らしい方達ばかりです。

大手が利益優先出来ないように、縫製難易度が高めにしてKUDENの独自性をデザイナーとして守っていますし、縫製工場に正当な工賃をお支払いすることが僕の使命だと思っています。
似たような服があっても決して他には無い服になるKUDENの秘密がここにあります。


さて新型の「Samurai Mode Kimono Gown(仮名)」です。
またまた再掲になりますが、今回のKimono Gownを制作するに当たってのキーワードは・・・
・1ピースで洋にも和にも使い回しが出来る
・既にあるKUDENの他の服とも組み合わすことが出来る
・海外の着物を着てみたいお客様が、これ一着で着物スタイルを味わえる
・暑い国のお客様でも寒い季節でもデザインはそのままで、本来の伝統的な着物の様に生地を変えるだけで、表情が変わる普遍的なデザインにしたい
・Samurai Mode Linen Light Jacketの袂を捲れるギミックを取り入れたい
・ポケットを付けたい
・Samurai Mode Jacketの様に肩落ちする痩せて見えるシルエットにしたい

下記にトワルチェックをパタンナーさんと行っている風景を写真に掲載します。
Kimono Gownもチラ見せです。
今回のトワルチェックでは、着物スタイルで着たときの襟がもう少し立つように調整したり、服の強度を高めたりなど微調整を行いました。

来週にはパターン確定して、ファーストサンプル縫製に入ります。
サンプル縫製はいつもお願いしている福島県相馬の縫製工場さんです。

ぜひ、楽しみにお待ちくださったり、こんな生地や柄が欲しいなどのご意見などもお寄せ戴けると嬉しいです。(メールフォームまでお願いします!)


読んでくださってありがとうございます。
また次回会いましょう。
Tak

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■ 3. KUDENチャリティー原作連載「小説 KUDEN Samurai Sword Jam」

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あなたの好きな 「カッコいい&カワイイ」を着ることで 世界をほんのちょっとだけ良くする!
知的障害で自閉症の息子を持つ父親が立ち上げたファッションブランドKUDENと日本が誇るアニメーターや漫画家、イラストレーターたちがチャリティープロジェクトのためにコラボレーション。
この小説は2021-2022にスタートしたアニメ・マンガの力を借りて障害福祉事業所と縫製工場に仕事を創るチャリティーが切っ掛けで生まれた原作小説です。
TVアニメ「蒼き流星SPTレイズナー」の高橋良輔監督(装甲騎兵ボトムズ、太陽の牙ダグラム)キャラクターデザイン谷口守泰先生(装甲騎兵ボトムズ作画監督、キャプテン翼演出、作画監督、サムライチャンプルー作画監督)のコンビ(メカニックデザイナー大河原邦男先生からの応援コメントも頂きました)をはじめ、声優の井上和彦さん(NARUTOカカシ先生、夏目友人帳ニャンコ先生)、佐々木るんさん(クラッシャージョウ アルフィン、マクロス ヴァネッサ・レイアード)をはじめ、豪華なアニメーターや漫画家、イラストレーターの先生達がKUDENの服を着たキャラクターを書き起こしてくださり、そのキャラクターデザインをKUDENの服や鞄にプリント。そのプリントやグッズの生産と発送を障害福祉事業所に依頼し、ただの寄付だけではない、お仕事を創るチャリティ-を行いました。(現在は常設化に向けて再準備中)
そのキャラクターと世界観をKUDENの佐藤貴浩が小説化し、ホビージャパン社のノベルアップ+にて連載!
障害ある息子のために奮闘する最後の刀鍛冶の父親のお話。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

KUDENボイスドラマ第弐話は、小説版「車椅子の侍」のワンシーンをボイスドラマ化。
小説を読む前に聴けば小説も更に楽しくなります。

【ボイスドラマ第弐話】
KUDEN - Samurai Sword Jam -

https://youtu.be/Q2xsGPxdeRA

このボイスドラマ は”縫製工場と福祉事業所に仕事を創るチャリティー”のために制作されました。

▼原作小説連載中!
https://novelup.plus/feature/kuden/

▼特設サイトはこちらから
https://ku-den.jp/ja/pages/charity2021

<出演>
井上和彦 (代表作 NARUTO 夏目友人帳 #ジョジョの奇妙な冒険 )
佐々木るん(代表作 クラッシャージョウ マクロス )
中務貴幸
今井涼雅
岩竹誠人
小林大真
大南友希
金井正代
中野聖子
宮嶋野乃花
村上裕紀子

<楽曲>
「HIKARI」
作曲:infix 長友仍世
編曲:佐々木恒

<収録・サウンドエンジニア>
鎌田真后
(株式会社Planet Movie)

<企画・原作・脚本>
佐藤貴浩

Special Thanks
株式会社B-Box

ボイスドラマを聴く

小説 「KUDEN 口伝 -Samurai Sword Jam-」

第二話 「車椅子の侍」その2

「おいおい、アイツ車椅子じゃねぇかよ。あんなんで戦えるのか? 」
「あっちゃーっ、最初から二番隊の天才剣士の永倉かよ。ま、これはもう勝負はきまったな」

ケンタは鍛え上げられたしなやかな細身の身体で両の脇には2本の刀が差してあり、眼光は鋭く、年の頃は20 代前半の風貌。
ただし、その姿は車椅子に乗った出で立ちであった。

一方、観客から天才剣士と呼ばれたその男、永倉は、一見優男風の顔つきだが、その身体には密度の高い筋肉が鍛え上げられていた。
眼光が鋭いというよりも、あまり表情が前に出ない。
物静かな雰囲気を纏っていた。
中央に辿り着いた2 人はお互いを静かに見つめる。

客席にいたただならぬ雰囲気をもつ2 人の女性。

「セレナ、どう分析する? 」

三番隊隊長のアンジー・齊藤が腹心の副隊長セレナに問いかける。

「隊長、普通に考えれば永倉が有利ですが、彼の練り上げられた気迫からただ者ではないとすぐわかります。これは見物ですね」

セレナは手に持った端末を見直しながら、分析をはじめている。
それを横目に、中央の2 人を眺めながら、嬉しそうにアンジーは言う。

「まぁ、これに勝った方が次アタシと当たる訳だから、どっちにしろ楽しみだけどね」

セレナはそんなアンジーには気にもせず、いつものことねと分析に没頭して行った。
ケンタは永倉の目を睨みながら、旅に出た理由を思い出していた。

……俺は本物の鋼の刀を手に入れる。刀は繰り返しの鍛錬によって不純物を取り除く。純粋な鋼になるまで。
叩き、伸ばし、鍛え、折れず曲がらず切れ味鋭い鋼の刀。
そんな刀のような生き方を俺は歩む……

永倉はケンタと対峙し、その力量をみるや高揚する自分を抑えることが出来無かった。

「あの節穴共。こいつが手加減して勝てる相手かよ。悪いが、はじめから全開でやらせてもらう」

そう言って鞘から抜刀し、低く下段に構える永倉。

ケンタも永倉のただならぬ気迫に負けぬよう、睨みつける。

「望むところ」

ケンタは両の手で抜刀し、一刀は天へ、もう一刀は相手に向けて切っ先を合わせた。

……今までだってどんな大舞台でも、どんな困難でもそのプレッシャーをこの身に抱え挑戦してきた。
俺は知りたい。
この身一つでどこまで強くなれるかを……

2人の緊張が最大限高まっていくその最中、開始の合図が響き渡る。

「はじめ!!!! 」

その合図の声が終わるや否や、2人は観客の目では追えぬほどの瞬足で前に出る。
上段より天から振りかざすケンタ、下段から振り上げケンタの刀に刷り上げる永倉。

ガ、ガキィーーン

激しく火花散る刀と刀。
その火花の刹那、余りに速く音速を超えたその斬撃が遅れて衝撃波となって会場の中心から発生する。

会場は静まりかえる。

2人は互いに後ろに飛び、体勢を整える。

「やるな」
「お前もな」

ウワーーーーーーーーウワーーーーー

2人の戦いに水を刺すような甲高い警報音が会場に、いや町中に鳴り響く。

「そこまで! 」
「緊急事態の警報。直ちに大会を中止し、侍団は持ち場に戻れ。各隊の隊長副隊長は対策本部へ! 至急! 会場の観客は誘導に従い速やかに避難して下さい! 」
「チッ。邪魔が入ったな。この続きはまた」

そう言って刀を収める永倉。

慌てふためく観客の騒乱をよそに、観客席から飛び出す黒い人影が2 つ。

「アーサー! 行くよ! この警報音は宇宙エレベーターの緊急警報だ! また遅れたらどやされるわよ! 」
「アンジー隊長! 早く行きますよ! 」
「わかったよセレナ〜」

アンジーはケンタの耳元で

「良かったらアンタ、侍団に来なよ。歓迎するわ! 」

……いつの間に……ケンタは気配を感じず、近寄ってきたアンジーに驚きを見せる。

刀を鞘に収めるケンタ。
まだまだ、この世界には強いやつがいやがる。
警報鳴り響く騒乱の中、更なる高みに向けて鍛錬をする事を誓うのであった。

「ミサ姫様! お急ぎ下さい! 」
「ちょっと待って、私だけ先に逃げる訳にはいかないわ! 」
「この会場が狙われているのでは無いのです。この緊急事態警報は宇宙エレベーター関連の警報です。狙われているのはこの町、この国です! 」

事態を察したミサは唇を噛みながら

「わかったわ、源じい。戻りましょう」

ミサは振り返り、警報瞬く空に高くそびえ立つ宇宙エレベーターを睨んだ。



第二話 「車椅子の侍」完

次週に続く。

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■ 4.KUDENヒストリー「旅するように暮らそう。」

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破産し病に倒れ、息子と離ればなれになりどん底に落ち込んでから、障がいある息子と将来働く場所を作りたい。そう再起しKUDENを立ち上げました。
様々な人との出会いを経て今のKUDENがあります。
ファッションなどのデザイナーになりたい人。こんな時代の新規事業を起ち上げ方に興味がある人。KUDENの服を気に入ってくださり更にKUDENを深く知りたい人。
苦しい逆境にあって乗り越えるヒントが欲しい人、障がいある子ども達を愛する人へ向けて、KUDENの成り立ちから今までを思い出して回顧録を紡いで参ります。
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KUDENヒストリー「旅するように暮らそう。」その2 

「人生初のホームステイ水道の通らない村で」


「イテテッ」木のすのこで出来てる二段ベットの上段で、背中の痛みで目が覚める。

「ん、ここ何処だっけ?」

昨日は子ども達の歓迎の歌と踊りを酒の肴に、村長さん秘蔵のブランデーをガンガン飲みながら子ども達と紙風船で遊んで…そうかここは日本じゃ無かった。

 2016年1月。
今、僕はフィリピンのパンガシナン州マンガタレム市カタラタラーン村の村長の家にホームステイさせて貰ってるんだった。

寝ぼけ眼で起き上がって、思わず軋んだ木製の二段ベッドに体勢を崩して落ちそうになった。懐かしい。
そういえば、実家で小学校の低学年まで弟と二段ベッドを使ってたな。 
下の段では一緒に研修に来ている仲間の箭木さんがまだ寝ている。
昨夜は箭木さんがお土産で持ってきていた「紙風船」と「こま」が子ども達に大人気だった。紙風船を地面に落としたら負け!ルールを僕が勝手に作って、夜遅くまで子ども達としこたま遊んで酔いが回ってベッドにしな垂れこんだ所までで記憶は止まってた。
フィリピンの子ども達はみんな人懐っこい。
いや、大人もシャイだけど人懐っこい人が多い気がする。

国民性だろうか。久しぶりに子ども達とおもいっきり遊べてうれしかった。
離れて暮らす息子と同い年くらいの子も居て、久々にお父さん気分を味合わせて貰えて、今でもじーんと心が温かくなってる。みんな遊んでくれてありがとう。 流石に二度寝すると6時出発のバスに乗り遅れそうなので起きて散歩しよう。
 顔を洗おうとしたらまだ薄暗い早朝の空の下、村長さんと奥さんがみんなの朝食やお弁当の支度を始めていた。
「グッドモーニング!」英語は全然出来ないけど、男は度胸と愛嬌だと笑顔で挨拶!「Good morning!」と村長さんと奥さん。 
奥さんは外でかまどにたき火をくべて、朝食の準備と、僕らの森林再生体験の為のお弁当の準備をするべく、奥さんの身長ほどの長さがある大きなバナナの葉っぱの真ん中の筋を鉈を使って軽やかに切り落とす。じつはこれがお弁当箱になるって知ったのはその後の事だった。
「顔洗ってきます!」(日・本・語・で!)そういって井戸に向かった。
この村には電気とインターネットは来ているのに、水道は無い。なにこのアンバランス。
トイレももちろん水洗ではなく、便器の横の水桶で流す。手押しポンプの井戸を素早く5プッシュ位して、水が止まらないうちに顔を素早く洗う、がすぐに水が止まる。
うん、面倒くさい。
 日本では1月。ちょー真冬だがここはフィリピン。早朝でもぜんぜん暖かい。ポンプを押すのが面倒くさくなってシャツを脱ぎ捨てて桶に水を貯めて一気に頭から水を浴びる。気持ちいい!

 意外にどんな環境でも生きていけるな、俺。
新しい自分の可能性を感じつつ、見ず知らずの国の見ず知らずのお宅でおもいっきりあくびをしながら思った。

すっきりして戻ってくると村長がマグカップと、コーヒーとミルクが混ざった甘い袋を手渡してくれる。「Do you drink coffee in the morning?」 糖尿病の僕は旅先でも糖質制限の食事で血糖値をコントロールしているので、村長さんの気持ちだけを快く頂いて、お湯を入れて味わった。(余談だけど、フィリピンの人は甘いのが大好き。セブンイレブンに行ったら殆ど甘いお菓子ばっかりだったし、現地のNGOのハリボン財団のコーディネーターに聞いたら、糖尿病の人も多いんだって)

 英語が出来ないんだけど、村長さんと2人きりになって、どうしても語らいたくて知ってる単語をフル動員して足らない部分は気持ちと身振りで補って言葉も文化も生い立ちも違う2人で語り合う。



次回に続きます。

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■ 5.Q&A

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▽KUDENやデザイナーのTakへの質問募集▼
KUDEN by TAKAHIRO SATOやデザイナー佐藤貴浩へのご意見、ご要望、質問などを募集します。
頂いた質問は、毎週メールマガジンでお答えいたします。
皆さまのご質問をおまちしております。

質問フォーム
「メルマガQ&A係」と記載してからお送りください。
https://ku-den.jp/ja/pages/contact

全ての質問に必ずしも答えられるわけではありませんので事前にご了承ください。
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▽Q.1▼
KUDENの写真がとても好きです。どうやって撮っていますか?

|A|
写真を気に入ってくださりありがとうございます。
写真は主に僕とカメラマンの新井延幸さんで撮影しています。
僕自身はKUDEN始めてから予算が無い小さなブランドの為に必要に迫られて写真を始めました。
長年ゲームやおもちゃなどの業界でクリエイティブな仕事のディレクターやアートディレクターを務めていて”撮らせるプロ”ではあったのですが、やはり自分で撮るのは難しく、少しづつ道具を揃えつつ撮り続け今も勉強中です。
KUDENのデザイナーとしてどうしても頭の中にあるイメージを具現化するのに、僕のカメラマンとしての力量が足らない場合は、僕が一番信頼している頼もしいカメラマンの新井さんにお願いして、僕はブランドディレクターに徹し、とびっきりの写真や動画を一緒に撮影させていただいています。
新井さんとの出会いは車椅子ダンサーかんばらけんたさんにPVをお願いした時に、かんばらさんのカッコいいダンスの魅力を余す事なく撮影できる人を探していて元々かんばらさんのPVを撮影していた新井さんをかんばらさんに紹介していただいてからのご縁です。
今後もKUDENでは写真や動画に力を入れていきます。


▽Q.2▼
フリーランスで働いています。いつもTwitter見てます。とても早い時間からツイートしていてお忙しそうですが、1日の時間割を教えてください。
私もつい自由業のためもっと効率良く仕事に取り組みたいと思うのですがなかなか時間がうまく使えません。

|A|
わかります!
僕も31歳に両親が同時に癌になって働きながら看護をしなければならない状況で、止む無く起業してからずっと働き方の試行錯誤を続けています。
時間が自由な分、自分を律せなければいけない場面が多くなりますよね。
ご質問者の職業がわからないので私の経験論になりますが、やはりある程度の生活のリズムを一定にする事が肝かなと思います
いろいろ世間にはライフハックやらHow toが多く出回っていると思いますが、一つだけ何から始めるかをアドバイスするなら「寝る時間を固定」する事です。(起きる時間では無く)
なぜ寝る時間を固定するのかというと、まず第一に健康とクリエイティブに一番重要な睡眠を確保すること
もう一つは起床時間を決めても仕事が押したり深酒していたら誰だって眠くて起きれなくなり、いずれその習慣は無かったことになるでしょう。
なので寝る時間を決めて、その時間までに仕事やプライペートの用事を完了させる。寝る時間を守ために、逆算して仕事や起きる時間を調整します。
この方が”逆算の思考”が臨機応変に対応できて、寝る時間という起点が生活にリズムを生んでくれますし、継続しやすいと個人の経験から思います。
ちなみに僕は息子を寝かしつけて21:30に就寝し、仕事の進捗が間に合わなければ4時に早めに起き、疲れていれば6時まで多めに寝るなどその日の状況によって寝る前に決めるようにしています。


【ご質問はこちらから】
「メルマガQ&A係」と記載してからお送りください。
フォームはこちら>>

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■ 6.メディア掲載&連載のお知らせ

新進気鋭のFashion Magazine
・AVESSA MAGAZINE

https://www.avessa.com/on-virtues-and-vices/


SF冒険活劇
「小説 KUDEN Samurai Sword Jam」

・日本語版 
ホビージャパン社 ノベルアップ+様
 無料公開中
https://novelup.plus/feature/kuden/

・英語版
小説投稿サイト「Whattpad」で連載中!
https://www.wattpad.com/story/307475614-kuden-%E5%8F%A3%E4%BC%9D-samurai-sword-jam

【メルマガのコンテンツ紹介】

メールマガジン凛rin lifeで連載中のコンテンツを紹介します。
コンテンツは毎週不定期で連載されて参ります。
メールマガジン購読者の方はサイトでアーカイブ記事がお読みになれますので、
気になった記事がありましたら、ぜひお読みください。

●日本の伝統文化とは?|芸能・工芸・行事・衣食住にまつわること
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
江戸時代、日光東照宮を建築する時に木工など多くの職人が移り住んだ日光。
そんな地に生まれた僕の幼少期は様々な職人さんとの触れ合いが多く、僕の生まれ育った近所に腕利きの刃物鍛冶の職人さんが住んでいて、小さい頃から可愛がって下さり刃物鍛冶を習ったりしました。
その体験がものつくりが大好きな僕のデザインのインスピレーションの原点です。
日本の伝統文化。芸能・工芸・行事・衣食住にまつわることをデザイナーの視点で紹介します。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
【日本伝統芸能「人形浄瑠璃文楽」の世界】 を紹介中です。
(最新記事はVol.002掲載のその2)

●スタッフセナ連載「KUDENの服のお手入れポイント」 
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
KUDENスタッフのセナはPRと翻訳、声優も担当。だが社内ではアイロンマスターの異名を取ります。もともとアイロン掛けが好きで、KUDENの撮影の前にはセナがアイロン掛けを行っています。KUDENの服は他のブランドに無いギミックやデザインの為、アイロン掛けにもコツが要ります。縫製職人やコンシェルジュにコツを伝授して貰っているセナがお送りするお手入れコーナーです。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::「Samurai Mode Seriesの自宅で洗える?or 洗えない?リスト」
(最新記事はVol.003掲載)

○アーカイブ記事はこちらから
https://ku-den.jp/ja/blogs/mail-magazine-rin-life

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・編集/発行元:KUDEN by TAKAHIRO SATO(Gerbera Design株式会社)

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┃K┃U┃D┃E┃N┃【 凛rin life 】
Vol.005
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/ 2023年2月24日発行 /

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