“日光彫” - 現代に受け継がれる徳川に愛された伝統技術

JULY 2,2022

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日光彫は、江戸時代より受け継がれる日本の伝統的な彫り物、伝統技術の1つです。

本日は、日光東照宮の装飾に使われたこの歴史ある手彫りの技術を紹介します。


歴史

- 将軍の為に腕を振るった職人たち

「日光を見ずして結構と言うなかれ」という言葉で知られる日光。


江戸幕府の3代将軍である徳川家光は、様々な権力者が訪れる日光東照宮をより雄大なものに作り替えました。

その道の達人とも言える巨匠…彫刻家、大工、漆塗り…様々な分野の職人たちを呼び寄せました。


日光彫の職人たちは幕府絵師の絵をノミ一丁で掘り出しました。


その職人たちが仕事の合間に彫ったものが日光彫の起源と言われています。

東照宮が完成した後、その補修や整備の為に日光の地にとどまった職人たちは、その技術で作り出した品物を日光に訪れる人たちに売る様になり、今もなお観光客のお土産として人気があります。

技術

- 独自の道具と手作業で作り出される繊細な作品


先端が曲がっている”ひっかき刀”と呼ばれる独自の彫刻刀を用いて造られる美しい曲線が特徴です。
図面に剃って木を削って模様を作った後に漆を塗り、色を出す為に表面をヤスリで削ります。

ヤスリをかけることにより部分的に表面の色を剥がし、より繊細に絵柄を表現をします。これは研ぎ出しとぎだしと呼ばれ、削り方によって色の出方も変わる重要な仕事です。

このヤスリ作業も含め、1つ1つが現在も手作業で行われており、職人の技を感じることができます。

職人紹介 - 中川さん

日光彫の職人、中川さん。

研ぎ出しを担当する奥様と2人で日光彫のアイテムを作る現役の職人です。

幼い頃より職人であった父の姿を見て育ち、その伝統を受け継いだそうです。

中川さんの仕事は”彫る”だけではありません。


「絵描きさんの絵と“彫れる絵”は別物。

絵描きさんから見たら日光彫の花は本当の花とは違うと言われます。

その通りで、これはあくまでも彫る為の図案。

普段からモチーフになりそうなものは意識してスケッチするようにしています。

着物の友禅の図案は近いものがありますね。」

と中川さんは語ります。


研ぎ出しを担当する奥様と共通でお話しされていたのは「(彫りも研ぎ出しも)失敗できない」という事。


例えば花の図案を彫る時は、まずメインのモチーフの花を彫ってから全体のバランスを見ながら葉などを書き足して図のバランスをとるそうです。

手彫りの一発勝負ならではの応用力が必要とされます。

研ぎ出しでもただ決まり通りの箇所を削るのではありません。

奥さんは

「黒の具合、赤の具合を見ながら削っていきます。  赤はこれくらいかな…と考えながら手で作業していくのでやはり時間がかかります。  彫った人によって癖があるので、同じデザインでも同じようにやれば良いというものでもないですしね。」 と、話してくれました。

▲中川さんの名前やマークが入った愛用の彫刻刀たち。  使いやすい様に“使う道具を作る”ことも中川さんの職人としてのこだわりです。

▲立体感のある繊細な表現が日光彫の魅力の1つ

伝統と歴史ある技術で作られ、人の手の温もりを感じることができる日光彫。

子供達にも体験教室などで楽しみを伝えている中川さんに、今後も動画やインタビューなどで更にお話を聞き皆様にお届けしていきたいと思います。


日光彫で作られたアイテム

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