「ええー! もう行っちゃうの?」「いやだ、もっと遊ぼうよ〜」 朝から子ども達に囲まれるソウジとケンタ。 「はいはい、お兄ちゃん達はお仕事にいくんだから、わがまま言わないの! 授業の時間よ。みんな学習室に向かいなさい!」「はーい!」 寮母は走り去る子ども達の後ろ姿を優しく見守る。 源じいより少し年下くらいに見える、ふくよかな身体に反してキビキビした動きのよく働く女性である。厳しさの中...
サクラ区の侍団の本部を後にし、電車を乗り換える為に駅のホームで待つソウジとケンタ。 2人はサクラ区の郊外に向かっていた。 黒い風呂敷を背に抱え、車椅子を押すソウジはモバイルフォンで乗り換え案内サービスを睨む。その表情は剣を持ったときとは別人の様に焦っていた。 「大丈夫ですケンタ! 僕に任せてください。いえ、行ったことあるんですが… 1人では初めてで、いえ、問題無いです!」 ...
ガコッ!ガコッ! ケンタは車椅子を降りた状態で、侍団の道場の脇の小屋の前にいた。 車椅子を降りたケンタは両の手を足代わりに移動し、積まれた木の山から木を取り出し、丸太の台の上にセットする。 車椅子から降りたケンタには薪割りの丸太の台でさえ高く見えた。 そして、改めて薪割り台の前に立ったケンタは、両手で斧を持って力強く振り下ろす。 力強い腕の振りの割には、上手く割れず苦戦する。 「ケ...
「どうぞこちらに…」 三番隊の副隊長セレナに声を掛けられ、車椅子を両の腕で勢いよく回して会議室に入ってくる車椅子の男。 「自己紹介を」 セレナに促され、車椅子の男は名乗る。 「ケンタ・黒田。旅の剣士だ」 そう名乗った男のその顔立ちはまだ若く、少年の面影を残しつつも、車椅子を回す両の腕や鍛え上げられたしなやかな上半身と眼光の鋭さが目立つ青年であった。 車椅子に朱の...
会議室に残ったメンバーは団長の近藤。 副団長のジン・土方。 一番隊 特殊武装隊の隊長 ソウジ・C・沖田。 二番隊 特殊武装隊の隊長 アーサー・J・永倉。 三番隊 特殊武装隊の隊長 アンジェラ・齊藤。 四番隊 捜査隊の隊長 リー・マツバラ。 同じく四番隊 副隊長のアサミ・サトウ。 七番隊 武装開発局の隊長 三銃郎・谷。&nb...