メルマガ読者限定プレゼント KUDEN by TAKAHIRO SATO【 凛rin life 】 Vol.004JP

Exclusive gift for Subscriber KUDEN by TAKAHIRO SATO【 凛rin life 】 Vol.004
このメールマガジンは、着物を始めとした日本文化やファッション、ライフスタイル、クリエイター裏話などの話題を【KUDEN by TAKAHIRO SATO】が、毎週金曜日にファッションデザイナー佐藤貴浩の主筆でお送り致します。
障がいある息子と働く場所を作る為に43歳でファッションデザイナーになり、海外に向けてクリエイターとして経営者として挑戦する僕の、サイトではなかなかお話しできない視点と私見をお伝えいたします。



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┃K┃U┃D┃E┃N┃【 凛rin life 】
Vol.004
/ 2023年2月17日発行 /

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■目次
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… 1. お知らせ
… 2. 近況
… 3 KUDENチャリティー原作連載【小説 KUDEN Samurai Sword Jam】
 第二話 「車椅子の侍」その1
… 4. KUDENヒストリー「旅するように暮らそう。」その1
… 5. Q&A
… 6. メディア掲載&連載のお知らせ
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■ 1. お知らせ

★「KUDEN by TAKAHIRO SATO」からのお知らせ★

#着物を愛する人の洋服 #和モード
着付けの要らない現代の着物スタイルで、伝統的な着物に興味を持って貰う為に生まれたブランド「KUDEN by TAKAHIRO SATO」。


先週に引き続き、ジャケット&パンツの2月の受注会(メルマガ掲載クーポンで10%OFF)とKASANE Shirtの先行予約販売が開催中です。
特にジャケット&パンツの2月の受注会は今週末の19日(日)23:59(JST)〆切り迄ですのでお見逃し無く。

いつもメールマガジンを購読頂いてありがとうございます。
KUDENがメールマガジンを中心に方針を変更してからVol,0から数えると5号目です。
それを記念して、これからの春からの季節にぴったりなSamurai Mode Vneck Tshirtを5名の方にプレゼントさせて戴きます。
応募条件は本メールマガジン購読者でTシャツが届いてから着心地などのレビューを書いてくださる方が対象になります。
VネックTシャツは縫製工場と障害福祉の現場に仕事を創るKUDENチャリティーで誕生しました。
よくあるプリントしてから届けるグラフィックTシャツの素体は大量生産大量廃棄やウイグル綿など様々な社会問題を含んだ”誰かを犠牲にしたファッション”である場合が多いです。
値段を下げる為だけにそのような”誰かを犠牲にしたTシャツ”に、チャリティーに意義を感じて参加くださったクリエーターの先生方のキャラクターグラフィックを印刷したくない。障害福祉の現場の方に印刷の仕事をしていただいたり、寄付をするのはバランスがおかしいのではないか?
誰かを助けるためのチャリティーなのに、目先の安さや利益を優先して劣悪な労働環境で安く買いたたかれて作られたTシャツを利用するのは良いのだろうか?
悩んで悩んで、結局僕自身で一からデザインをして産み出したTシャツになります。


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<<メルマガ読者限定プレゼント!>>
【Samurai Mode Vneck Tshirtモニターキャンペーン】


高級100%コットン非ウイグル綿使用
KUDENの和モードに合う、一枚でも様になって着物襟にあわせても上品なVネックTシャツ。
通常のTシャツのボックス型のシルエットと違い、着たときにシャープな印象を与える少しタイト目のデザイン。
綿100%にも関わらず、UVカットと接触冷感を備える高品質な生地を使用。

<応募方法>

対象者
メールマガジン購読者で商品レビューを書いてくださる方

プレゼント商品
Samurai Mode Vneck Tshirt 5名様
[https://ku-den.jp/ja/collections/tops/products/samurai-mode-vneck-tshirt]

〆切り
2/18(金) 23:59 (JST)迄

当選発表
3/3(金) 当選者のみメールにてご連絡

下記URLから応募フォームでお好きなサイズとカラーを選んだ上でご応募ください。
抽選のうえ当選者にはメールマガジン購読されているメールアドレスに当選メールをお送り致します。
KUDENの会員登録していただき、住所などの発送に必要な情報を入力。
Vneck Tshirtをお手元に発送致します。
商品到着から数日してからKUDENよりレビュー依頼のメールが送られます。
着心地などの感想をレビューしてください。
皆さまの素敵なレビューをお待ちしています。

>>応募フォームはこちら



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引き続きKASANE Shirtの先行予約販売とジャケット&パンツの受注会も好評開催中です。


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【 5%OFF!![先行予約販売] Samurai Mode Shirt II KASANE】

<予約期間>
メルマガ購読者先行予約販売
02/11(土)18:00(JST) 〜2/12(日)18:00(JST)
一般先行予約販売
02/12(日)18:00(JST) 〜2/28(日)23:59(JST)

<注意点>
・メルマガ購読者先行予約販売期間はメルマガ購読者のみ購入出来ます。
・先行予約特典5%OFF
・サイズやカラーなど生産予定数を超えた場合は売り切れになります。
・02/11(土)18:00(JST)以降にならないと購入出来ません。


<お届け目安>
4月に発送予定

<予約販売商品>
・Samurai Mode Shirt II - KASANE - Color&Collar 
・Samurai Mode Shirt II - KASANE - Color&Collar 半袖
・Samurai Mode Shirt II - KASANE - Lace Colla
・Samurai Mode Shirt II - KASANE - Lace Colla 半袖


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【2月の受注会 Samurai Mode Jacket&Samurai Mode Pants II】
メールマガジン購読の方は受注会通常5%OFF+メルマガ限定クーポン5%OFFで合わせて10%OFF

<受注期間>
02/04(土)18:00(JST) 〜2/19(日)23:59(JST)

<注意点>
・予約期間は16日間のみ、数量限定先着順で受付
・通常のお客様5%OFF
・メルマガ購読の方はVol.002/ 2023年2月3日発行 のメールに記載したクーポンコード使用で10%OFF

<お届け目安>
4月から5月の上旬までに発送予定

<受注商品>
・Samurai Mode Jacket スタンダードモデル
(表地:ブラックトリアセテート、裏地:ブラック)
・Samurai Mode Jacket カスタムモデル
(表地:ブラックトリアセテート、裏地:お好きなカラー)
※トリアセテートのジャケット合わせて約10着限定
・Samurai Mode Pants II スタンダードモデル
(表地:ブラックトリアセテート、裏地:ブラック)
※トリアセテートのパンツ約10着限定
・Samurai Mode Jacket Eco スタンダードモデル
(表地:ブラック、裏地:ブラック)
・Samurai Mode Jacket Eco カスタムモデル
 (表地:ブラック、裏地:お好きなカラー)
・Samurai Mode Pants II Eco スタンダードモデル
(表地:ブラック、裏地:ブラック)


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 4月、5月の春の風をSamurai Mode でKimonoスタイルを楽しみませんか?
ジャケットパンツは受注数や縫製工場の状況によっては早ければ4月、遅くても5月にはお手元に届く予定です。(※あくまでも発送日です。海外のお客様にはヤマト海外便と日本郵政の配達完了まで、1、2週間掛かります)
KASANE Shirtは3月に生産しますので、4月には発送出来る予定で動いております。

プレゼントのVネックTシャツも合わせて、KUDENの服は他のブランドに無いデザインばかりで、海外国内男女問わず着ていただいている為、サイズが独特です。
サイズチャートを商品ページに記載してはありますが、サイズ選びに迷ったら、コンシェルジュまでお気軽にご相談ください。(メール、LINE、メッセンジャー、SNSのDMなどご活用ください!)

余りフューチャーしていなかったSamurai Mode Vneck Tshirtですが、僕自身が欲しいTシャツがなかなか無くて、苦心してこだわって作り上げました。

<僕のTシャツのこだわりポイント>
・毎日着れる着心地(コットン100% UV、接触冷感)
・1枚でも綺麗に着られる(シャープなシルエットと上品なVネック)
・洗ってすぐにへたらない生地と縫製
・非ウイグル綿

今後はこのTシャツ一枚で一年通せる様に、胸ポケット付きや冬用のメリノウールを使用した生地の物などバリエーションを増やしていきたいと思ってます。

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【再掲:2月受注会用メールマガジン購読者限定クーポンコード】

・メルマガ購読の方はVol.002/ 2023年2月3日発行 のメールに記載したクーポンコード使用で10%OFF
アーカイブへのリンクはこちら>>


※メールマガジン購読されているメールアドレスで会員登録してくださる場合に割引が適応されます。
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■ 2. 近況

皆さんこんにちは。デザイナーのTakこと佐藤貴浩です。
今週の近況の執筆は息子の特別支援学校の送り迎えの車の中で書いています。
iPhone13 miniにMicrosoftの薄型2つ折りのキーボード(廃盤のものですが使いやすくて愛用)と折り畳みのスマホスタンドをいつも携帯していて、息子を待つ時間を使って執筆しています。
小説と執筆には軽くてicloudでデータ連携できるUlyssesというテキストエディタで書いています。
これが便利でiPhoneとiPadとMacのどのマシンからでも続きが書ける。
場所を選ばずスマホだけで仕事が出来る良い時代になりました。

さて、今週は新型のSamurai Mode Kimono Gown(仮名)のトワルがパタンナーさんより送られてきました。

そういえば「トワル」の意味をご説明していませんでした。
トワル(仏:Toile)とは、洋服を作る際にデザインやサイズ等を確認するために試験的に縫製されたものを指し、一般的に扱いやすいシーチングと呼ばれるコットンで作ります。簡易の服なら針で刺して止めるだけですが、糸で縫い場合もあります。
また、トワルも半身トワル、両身トワルとあって、服の機構やデザインによって半身で十分なのか、両身作るのかはデザインによって変わります。
今回は着物ガウンを着物風に着るための機構を考えたので、両身トワルにパタンナーさんに仕上げて貰いました。

再掲になりますが、今回のKimono Gownを制作するに当たってのキーワードは・・・
・1ピースで洋にも和にも使い回しが出来る
・既にあるKUDENの他の服とも組み合わすことが出来る
・海外の着物を着てみたいお客様が、これ一着で着物スタイルを味わえる
・暑い国のお客様でも寒い季節でもデザインはそのままで、本来の伝統的な着物の様に生地を変えるだけで、表情が変わる普遍的なデザインにしたい
・Samurai Mode Linen Light Jacketの袂を捲れるギミックを取り入れたい
・ポケットを付けたい
・Samurai Mode Jacketの様に肩落ちする痩せて見えるシルエットにしたい

トワルを現在チェックして、細部に渡って着心地やシルエット、強度などを考えながらパタンナーさんへ修正指示をまとめています。

このトワルチェックを経て、パターン修正→ファーストサンプル縫製→パターン修正→セカンドサンプル縫製→デザイン完成→グレーディング(サイズ展開)を行い、モデル撮影を行いつつ、3月にはクラウドファンディングをスタートする予定で動いております。

次回のメールマガジンにはデザイン画とトワルの写真でもう少し新型のKimono Gownをご紹介しようと思います。
このGownが皆さまに着ていただく時期は初夏くらいになるでしょうから、
夏でも涼しく羽織ったり夏着物代わりに着こなせるように最初は涼しい薄手の生地を選ぼうかと今から生地選びが楽しみ&悩ましいです。

ぜひ、楽しみにお待ちくださったり、こんな生地でや柄が欲しいなどのご意見などもお寄せ戴けると嬉しいです。(メールフォームまでお願いします!)

読んでくださってありがとうございます。
また次回会いましょう。
Tak

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■ 3. KUDENチャリティー原作連載「小説 KUDEN Samurai Sword Jam」

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あなたの好きな 「カッコいい&カワイイ」を着ることで 世界をほんのちょっとだけ良くする!
知的障害で自閉症の息子を持つ父親が立ち上げたファッションブランドKUDENと日本が誇るアニメーターや漫画家、イラストレーターたちがチャリティープロジェクトのためにコラボレーション。
この小説は2021-2022にスタートしたアニメ・マンガの力を借りて障害福祉事業所と縫製工場に仕事を創るチャリティーが切っ掛けで生まれた原作小説です。
TVアニメ「蒼き流星SPTレイズナー」の高橋良輔監督(装甲騎兵ボトムズ、太陽の牙ダグラム)キャラクターデザイン谷口守泰先生(装甲騎兵ボトムズ作画監督、キャプテン翼演出、作画監督、サムライチャンプルー作画監督)のコンビ(メカニックデザイナー大河原邦男先生からの応援コメントも頂きました)をはじめ、声優の井上和彦さん(NARUTOカカシ先生、夏目友人帳ニャンコ先生)、佐々木るんさん(クラッシャージョウ アルフィン、マクロス ヴァネッサ・レイアード)をはじめ、豪華なアニメーターや漫画家、イラストレーターの先生達がKUDENの服を着たキャラクターを書き起こしてくださり、そのキャラクターデザインをKUDENの服や鞄にプリント。そのプリントやグッズの生産と発送を障害福祉事業所に依頼し、ただの寄付だけではない、お仕事を創るチャリティ-を行いました。(現在は常設化に向けて再準備中)
そのキャラクターと世界観をKUDENの佐藤貴浩が小説化し、ホビージャパン社のノベルアップ+にて連載!
障害ある息子のために奮闘する最後の刀鍛冶の父親のお話。
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【第一話あとがき】

前号まで小説 KUDEN Samurai Sword Jamの第一話をお送りしました。
始まりはチャリティーに参加くださったアニメ、漫画、イラストレーターの先生方にTシャツにプリントするための”キャラクターデザイン”を描いて貰う為の”お題”として書いた設定でした。
まさかこの時は小説を書くことになるとはつゆ知らず、KUDENのブランドストーリー(誰かを犠牲にしたファッションはかっこいいか?等)とコンセプトを同じにした世界観でキャラクターを描いて頂こうと軽い気持ちでSFサムライ冒険譚の世界観を描きました。
そこから声優の佐々木るんさんがチャリティーのご参加してくださることになり、
井上和彦さんと声優事務所のB-BOXさんが更に加わってくださり、
せっかくだからボイスドラマを増やしましょうとなり、ボイスドラマ3話分の脚本を執筆しました。そしてVガンダムのエンディングテーマ「WINNERS FOREVER 〜勝利者よ〜」のinfixの長友仍世さんが曲を書き下ろしてくださるという最強布陣です。

貴延は井上和彦さんにこんな台詞を言って貰いたいとファン目線でボイスドラマ脚本を書きました。
脚本だけではなく、ボイスドラマ収録当日は井上和彦さんが音響監督と演出をしてくださり、るんさんやB-BOX西山社長のサポートを受け、初監督にも挑みました。
僕は緊張で汗だくになり当日のことはほとんど覚えておりません…。

小説を書く前からキャラクターデザインがあり、主題歌があり、声優さんが決まっている上に、尊敬するアニメ監督の高橋良輔監督に帯分を書いて頂けるという前代未聞の状況とプレッシャーの中で毎日コツコツと1年書き続けた僕の初小説です。 ぜひ、井上和彦さんと佐々木るんさん、B-BOX所属声優さんの熱演と主題歌「HIKARI」を聴いてから再度読み直してみてください。

ボイスドラマ第壱話に相当するのが今までお送りした小説版第一話「鉄屑屋の男」です。
ボイスドラマ第弐話は今回からお送りする車椅子ダンサーかんばらけんたさんをモデルにしたキャラクターのケンタ登場する第二話「車椅子の男」です。
ボイスドラマ第三話がこの小説の最終シーンに近いエピソードになります。
ネタバレが嫌いな方はボイスドラマ第弐話まで。
現在は第一部上巻が完結しており、下巻では貴延、ケンタの冒険がボイスドラマ第三話の内容に向けて物語が進んで行きます。(連載再開は決まり次第ご報告させて戴きます)

人の心や思いは死して死なない。受け継がれていく思い。
そんな普遍的なテーマを僕なりのエンターテイメントにのせて、物語を紡いで参ります。






【ボイスドラマ第壱話】
KUDEN - Samurai Sword Jam -

https://youtu.be/Q2xsGPxdeRA


このボイスドラマ は”縫製工場と福祉事業所に仕事を創るチャリティー”のために制作されました。

▼原作小説連載中!
https://novelup.plus/feature/kuden/

▼特設サイトはこちらから
https://ku-den.jp/ja/pages/charity2021

<出演>
井上和彦 (代表作 NARUTO 夏目友人帳 #ジョジョの奇妙な冒険 )
佐々木るん(代表作 クラッシャージョウ マクロス )
中務貴幸
今井涼雅
岩竹誠人
小林大真
大南友希
金井正代
中野聖子
宮嶋野乃花
村上裕紀子

<楽曲>
「HIKARI」
作曲:infix 長友仍世
編曲:佐々木恒

<収録・サウンドエンジニア>
鎌田真后
(株式会社Planet Movie)

<企画・原作・脚本>
佐藤貴浩

Special Thanks
株式会社B-Box



小説 「KUDEN 口伝 -Samurai Sword Jam-」

第二話 「車椅子の侍」その1

照りつける日差しのなか、一心不乱に刀を振る男。
振る刀は二刀。

その鍛えられた体はしなやかに両の手で二刀を扱っている。

しかしその男は車椅子に乗っていた。
この星では珍しくサイボーグ技術で補わずに、ありのままの姿で車椅子と刀を自在に操る男。

彼は自身を鍛えるために武者修行の旅の途中であった。
彼の旅の目的の1 つは噂に聞く「本物の鋼を鍛えた刀」を探すこと。

その旅の途中で本物の刀の話を耳にする。
男は鋼の鍛え方にとても心を惹かれていた。

「こんななまくらではなく、いつか本物の刀を手にしたいものだ」

そんな旅の途中に立ち寄った町で刀を鍛える男の噂を耳にした。
茶屋で一休みする車椅子の男は、1 枚の貼り紙を指さし、茶屋の娘に声をかける。

「この御前試合というのは誰でも参加できるのか? 」
「ええ、確か競技場で事前にエントリー出来るはずです。私は出たことないので詳しくは分からないですけどね」

……なるほど、優勝者には鋼の刀を進呈とある。
行ってみるか……

「おにいちゃん! かっこいいねー」

不意に後ろから掛けられた子どもの声で振り返る。
そこにはイヤーマフをした少年がニコニコしながら車椅子をのぞき込んでいる。

「こら、タケル。失礼になるだろ。すまねえな。好奇心旺盛なもんで」
「いや。大丈夫だ。すまないが競技場はどっちの方向に行ったら良いか教えて欲しい」
「ここから東の城塞関所の近くに競技場がある。でけーから行けばすぐに分かるさ」

男は親子に礼を言うと、娘に支払をし競技場へ向かった。

※※※

「ただいまより御前試合を開始する! 」
「武器の使用は自由! ただし殺さず。勝ち残った物には本物の鋼を使った刀が姫より進呈される! 」

円形の競技場で、大勢の人々が今か今かとその試合の開演を待ちわびている。
歓声の中、来賓席よりよく通る澄んだ声が響く。

「誠に強き者には侍団への入隊を認め、真の刀を授ける! 」
「みなのもの日頃の鍛錬の成果をみせよ! 」

凛とした表情で競技場を見回すと、役目を終えた姫は自分の席へ戻る。

……ああっ、私も出たかったなぁ……
そう呟く表情は無邪気で、先ほどの大人びた表情とは違っていた。

度重なる環境汚染や自然破壊から地球が住めなくなり人類は他の星に移住をした近未来。
移住した星々は、地球とは異なった資源や物質の構成、気候や生態系を持っていて、人類は他星の生物とともに、様々な技術で適応していた。
しかし地球ほど豊かな自然や資源がある星ばかりではなく、人々はかつて地球の自然を破壊し住めなくしたという罪を背負うかのように厳しい環境下の中で、それでも逞しく生きていた。

そんな時代のとある惑星のこの国。
日本をルーツに持つ人たちが多く住む。

そこは厳しい自然環境から身を守るために、宇宙エレベーターを中心に城塞を作り栄えた国。

この国にはかつての地球、そして日本という国にいた、侍の魂を受け継ぐ事を誇りにする男がいた。
この地に人類が最初に移住した時には、まだ人も少なく、開拓をしながらこの厳しい環境の中で生きていかねばならなかった。
自然環境や争いから人々を守るべく、男は地球から受け継がれた鋼の刀を持って人々を守り勇気づけた。
彼を慕う人々が集まり剣術や士道などが今に語り継がれた。
その集団の名は侍団。
この国の象徴であり、自警の為の組織でもある。

御前試合。
それは侍団の実力を向上させる目的と共に、隊長クラスであれば一騎当千の軍事力にも匹敵する侍の力を他国に対してアピールし、抑止力としての側面を持つ大会である。

歓声響く場内。
スピーカーのハウリングと共に開演の合図が響き渡る。

「それでは第一試合を始めます! 」

「侍団二番隊隊長! アーサー・J・永倉!! 」
「VS 旅の剣士 ケンタ・黒田! 前へ! 」

競技場の中央に向けて、東と西より2人の剣士が歩み始める。
その無名の男、ケンタの風貌に、観客席がざわめきはじめる。


第二話 「車椅子の侍」その1 完

次週に続く。

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■ 4.KUDENヒストリー「旅するように暮らそう。」

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破産し病に倒れ、息子と離ればなれになりどん底に落ち込んでから、障がいある息子と将来働く場所を作りたい。そう再起しKUDENを立ち上げました。
様々な人との出会いを経て今のKUDENがあります。
ファッションなどのデザイナーになりたい人。こんな時代の新規事業を起ち上げ方に興味がある人。KUDENの服を気に入ってくださり更にKUDENを深く知りたい人。
苦しい逆境にあって乗り越えるヒントが欲しい人、障がいある子ども達を愛する人へ向けて、KUDENの成り立ちから今までを思い出して回顧録を紡いで参ります。

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Photographer:Tak
KUDENヒストリー「旅するように暮らそう。」
その1 「家具から服へ

KUDEN by TAKAHIRO SATOを運営している僕の会社はGerbera Design株式会社といいます。新規事業のブランディングとデザインなどのアドバイスを事業として行っています。
そんな僕の会社のスローガンは「旅するように暮らそう。」です。

オーバーワークで倒れた経験から、障がいある息子を男手1つで育てられるように、時間と場所を自由に働きたいという思いが込めてあります。(その取り組みが東京新聞に掲載されたりしています。それはまたの機会に・・・)

その会社のちょっと風変わりな2016年の会社案内(フリーペーパー風デザイン)にKUDENを起ち上げるための試行錯誤として何故かフィリピンに旅する僕が旅行記を書いています。

実はKUDENは、服ではなく、家具からデザインしたいと準備がはじまったのでした。
それが何故、今はファッションブランドなのか?
そんなKUDENのヒストリーを2016年まで遡って思い出しながら書き出していきます。

2016年のGerbera Design株式会社の会社案内(フリーペーパー風デザイン)「旅するように暮らそう。」のフィリピン旅行記のコーナーより抜粋


【フィリピン旅行記のあとがき】
息子と働きたい。 自閉症の息子が働ける場所を作りたい。息子のような障がいを抱えた子ども達の働く場所を作りたい。
僕の夢、いや必ず叶える目標だ。
その為に弊社のデザイン会社という強みを活かして、「林業」+「家具メーカー」の事業を興す準備を始めている。
なぜ林業なのか?理由は2つある。
1つめは、デザインだけではなく、林業、工場などの幅広い仕事があれば、障がい者の方が得意な仕事を何かしら見つけてあげることが出来るから。
大量消費大量生産の時代が終わり、高度経済成長期で日本人誰もが右肩上がりの経済の中で生きていけない時代だ。これからの日本は少子高齢化社会で右肩下がりの経済の中で家族を守っていかなければならない。その中で真っ先にダメージを受けるのが障がい者の方の様な立場の方達だと思う。
2つめは、会社を継続させるため。ビジネスモデルとして一次産業(林業),二次産業(家具製造),三次産業(デザイン&販売)を兼ね、新しい顧客創造に挑戦する事で、新しい時代のビジネスモデルの構築をしていきたい。
具体的には、独身→結婚→出産→子どもの巣立ちなど人生と共に必要な家具は変わっていく。シーンに合わせた末永く利用できる木の温もりある家具を販売し、必要が無くなった家具は引き取り、きれいにリペアし、必要としている方へ安くお譲りして、一度木から生み出された家具を廃棄するのでは無く、手入れをして大切に長く使いたい。その為、材料となる木を育てる林業から取り組み、リペアしながら長年使って廃棄するしか無くなったとしても、木の家具達を山の自然へ還す…木を育て、木で作り、長く大切に使って山に還す。 そんなビジネスモデルを実現したい。
今回のフィリピンの環境省海外森林保全研修は、高度経済成長期の日本がフィリピンなどの国の未来を考えず近視眼的に森林伐採をした現場を日本人として勉強する事と「林業」+「家具メーカー」+「障がい者雇用」のブランドを構築するために国内外の林業の様子を自ら肌で感じたくて、参加した。  森林再生だけではなく、フィリピンという国の良さ、抱えている問題、そこに日本がどう関わったかなど様々な人々とのと体験を通して5日間という短い期間だったけれど色々と心に響く旅になった。


最初は家具デザインを志す僕がフィリピンの旅で見て感じたことは・・・


次回に続きます。

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■ 5.Q&A募集

KUDENの服について(お手入れやコーデなど)の質問や今後コンテンツとしてやってほしいことなどを募集します。また、アパレルブランド立ち上げたい方、デザインなどのクリエイターになりたい方、海外へビジネスをしたい方のご質問をいただければ、メルマガで可能な限りお答えいたします。撮影機材は?海外に何を売れば良いか?クリエイターになりたい!など下記のフォームよりお気軽にご質問ください。現在服の手入れ方法のご質問やデザインなどの仕事道具は何を使っているのか?などの質問を頂いています。次回よりメルマガでお答えして参ります。「メルマガQ&A係」と記載してからお送りください。

【ご質問はこちらから】

「メルマガQ&A係」と記載してからお送りください。
フォームはこちら>>

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■ 6.メディア掲載&連載のお知らせ

新進気鋭のFashion Magazine
・AVESSA MAGAZINE
https://www.avessa.com/on-virtues-and-vices/

SF冒険活劇
「小説 KUDEN Samurai Sword Jam」

・日本語版
ホビージャパン社 ノベルアップ+様
無料公開中
https://novelup.plus/feature/kuden/

・英語版
小説投稿サイト「Whattpad」で連載中!
https://www.wattpad.com/story/307475614-kuden-%E5%8F%A3%E4%BC%9D-samurai-sword-jam

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・編集/発行元:KUDEN by TAKAHIRO SATO(Gerbera Design株式会社)

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本メールルマガジンの内容の大部分または全部を無断転載、転送、再編集など行なうことはお控えください。
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