NPO法人 はばたき
理事長
広瀨 浩さま
日光市の就労継続支援B型のNPO法人はばたきさんと、日光市の共同受注事務局のだいちさんの広瀬さんと阿久津さんです。
今回、「はばたき」では軽作業、日光市にその他10ある福祉事業所を束ねる「だいち」の阿久津さんには軽作業などのお仕事を依頼する際の窓口をして戴いております。
日光市の福祉課の方に広瀬さんと阿久津さんをご紹介戴き、広瀬さんの「はばたき」「まつぼっくり」などの事業所を立ち上げたお話しを聞いて、同じ福祉を考える経営者の大先輩としてとても勉強になり、また同時に僕達の活動を励まして下さり、初めてのチャリティーに挑戦する僕達をとても勇気づけて下さいました。
阿久津さんには日光市の就労継続支援A型事業所のいなほ今市さん、軽作業をお願いする日光市の10の事業所の窓口としてご尽力いただき、とても心強く、本当に助かっております。
僕達の住む地場にこういった思いがある福祉の事業所さんがあることを嬉しく、誇りに思っています。
佐藤貴浩
(インタビュアー:KUDEN PR/Sena)
ーそれでは自己紹介をお願いします
・NPO法人はばたき 理事長 広瀨 浩
・障害者総合支援法 就労継続支援B型事業所
(A型は利用者と雇用契約を、B型は利用契約を結んでいます。)
ー施設についてご紹介をお願い致します
法人は平成15年に設立し、日光市今市にはばたき事業所、日光市鬼怒川温泉大原にまつぼっくり事業所の2か所を運営しています。利用者は身体・知的・精神等に障がいを持っている方約20名で、毎日9:00~16:00まで作業訓練を行い一般企業等への就職や様々な面での自立を目指しております。
職員は職業指導員や生活支援員など12名で利用者の支援を行っています。
はばたき事業所には平成28年にコミュニティカフェをオープンし、愛称を「おおぞら」と名付けました。営業は月・水・木・土の11:00~14:00で、利用者の就労の場になるとともに毎月第3土曜日に地域との交流を目的にさまざまな工夫をこらしたイベントを開催し、隣接する小学校や近所の高齢者等の地域住民の方との交流を図っています。
▲おおぞらイベントでのショット
法人内に日光市内の障がい福祉事業所12カ所と連携した「共同受注事業」を行っています。これは1つの事業所だけでは受注困難な作業を、日光市内にある障がい福祉事業所が協力して受注するという仕組みです。はばたきがその発案をしたこともあり、その事務局を担っております。
そしてその愛称を「だいち」として、「だいち」から「おおぞら」へ「はばたく(き)」と関連付けています。
▲NPO法人はばたき 共同受注事務局【だいち】のみなさん。
今回のチャリティープロジェクトでもだいちの阿久津さんに多大なるご尽力を頂きました。
【経緯】
平成20年に国民一人ひとりに一律2万円が配られた定額給付金についての郵送作業が当時の日光市で37,000通ありました。その仕事を1週間でこなすわけですが、1つの事業所ではとても終わる数ではないので市内の障がい福祉事業所にこの話を持ち掛け、共同で受注しようと考えました。
当時は日光市内に9カ所の同事業所がありましたが全事業所が賛成してくれました。
そのことを日光市役所の担当部署に発注依頼をしましたが、過去に前例がなくすぐには良い返事をもらえませんでした。しかし、粘り強く交渉し、また他事業所の方々もいろいろとアイデアを出してくださり、結果として受注することができ、そして大きなプレッシャーはありましたが無事に納品することができました。
そのことが全国的にも栃木県内でもメディアに取り上げられそれにより新たな受注も生まれました。
こうした取り組みが認められ現在は日光市の委託事業となっています。
また、金銭面だけではなく各事業所間の連携や交流にもつながっています。
ー事業所の方はどういった方がご利用されるのでしょうか?
20名の利用者のうち、半分以上が精神に障がいをお持ちの方です。残りの方は身体と知的に障がいをお持ちの方です。
男女比は6:4で男性が多く、年齢は19才~78歳まで幅広く、平均年齢は約43才です。
皆さん通所でその方法は、自家用車・電車・バス・自転車・家族の送迎・徒歩などです。
また居住地は多くの方が日光市内でその他宇都宮市とさくら市から通っている方がいます。
事業所では利用者の障がい特性に合わせた作業を提供しています。
例えば車椅子利用の方には机の上でやれる部品組み立てや検品、袋詰め等の作業を、そして知的に障がいのある方には公園清掃や駐輪場の管理業務などを、そして精神に障がいのある方にはパソコンの入力作業などを担ってもらっています。
ー何故この事業所を立ち上げたのですか?
私は福祉の仕事を約40年やっておりますが、福祉の仕事を始めたきっかけは小学校の同級生に脳性麻痺の男の子がいて、その子の面倒を見ていたのがきっ かけです。
その病気は進行性で小1や小2の時は自力で歩けたこともありましたが、大きくなるにつれて少しずつ困難になってきていました。
具体的にはトイレへ連れて行ったり、体育や音楽、理科などの授業の際の移動などで彼を背負って(おんぶして)その移動を手助けしていました。
それを6年間行い、中学校に入ると1年生の時は同じクラスでしたが2年生からは初めて彼と違うクラスになりました。
その時は私が手助けをしなくても他の同級生がその役割を担ってくれていました。
私は当時野球部に所属し、一応キャプテンも務めていました。
その野球にすっかりのめりこんでしまい、彼が長期の入院をしていたにもかかわらず野球に夢中になっていた私はそれを全く知りませんでした。
お見舞いにも1度もいけませんでした。
そんな中、中3の9月9日に担任の先生に呼ばれ「昨日彼が亡くなった」ことを知らされました。
その時は頭の中が真っ白になり、大きな衝撃を受けたとともに大きな悲しみと後悔に襲われました。
その頃に将来は「福祉の仕事をしたい」と思ったのがきっかけです。
約40年の仕事の中で身体障がい者入所授産施設(作業訓練)・知的障がい者入所更生施設(生活面での世話をする)・精神障がい者作業所(作業訓練)などの指導員などに従事してきましたが、その中で利用者の多くが「私は働きたい。」「もっと給料を稼ぎたい。」「会社へ就職したい」という希望を持っていました。
そういった声に応えるべく、自分で事業所を立ち上げて、障がいの種別に関係なく「働きたい」を応援する事業所を開設しました。
ー現場から届けたい思い、やりがいや難しい点などお聞かせください
障がいのある人がどれだけ仕事ができるの、という疑問があるかと思います。
それに対して100点満点の答えを出すのは難しいと思います。
そのために作業をしている現場をぜひ見に来ていただきたいと思います。
「百聞は一見に如かず」という言葉がありますが、まさにその通りで現場を見るとその答えが出やすくなりますし、現場の職員等から説明を受ければかなりのことがご理解できるものと考えております。
作業のことばかりではなく、雰囲気や表情、環境等を肌で感じることができると思います。
今の時代ですのでSNSやリモートなどで多くの情報が得られると思いますが、まずは障がい福祉の就労支援の現場を見ていただくことを希望します。
もちろん良いことばかりではなく、負のイメージを持つこともあるかもしれません。それも合わせて現状を知っていただきたいなと思います。きっと何かが変わるかと思います。
ー未来への思い、将来への展望を教えてください
40年前、30年前、20年前、10年前、現在と少しずつではありますが障がい福祉の現場は変わってきています。
街並みや人々の考え、社会の環境や意識も間違いなく進歩していることは確かです。
しかし何と言っても一番大切なのは個々の心だと考えています。
優しさだと思います。
そこのところはある意味で後退しているところもあるかなと感じています。
一人ひとりの成長や進歩はとても大切だと思いますが、「みんなで」とか「一緒に」「チームワークで」といった仲間意識は足りていないなと感じる時は少なくありません。
互いを思いやるやさしい心が一番大切だと考えています。障がい福祉の現場を通して多くの人にこの点を訴えられたらいいなと考えています。
私は経営者の端くれですので当法人で働いてくれている職員の成長を願っていますし、その福利厚生もきちんとしてあげたいと考えています。
福祉の職員は給料が安い、それが当たり前だという考えではなく、職員が「はばたきに勤めて良かった。」と思えるような職場を作りたいです。
ーなぜこのKUDENチャリティーに参加してくださったのでしょうか?
はじめにこのお話を伺った時は、正直言ってどこまでやれるのかなという思いもありました。しかし、代表の佐藤様はじめスタッフの方とお会いし、そのお話を伺った時にその熱意に感銘いたしました。
「未来への思い、将来への展望」で記述したように私は「心」を大切にするという強い思いがありますが、今までにその心を感じた人は決して多くはありませんでした。
しかし佐藤代表はもしかすると今までお会いした方々の中でもトップクラスの熱い思いを感じています。
またそれを支えるスタッフの方もまっすぐに佐藤代表と同じ方向を見ている気がしています。
言葉だけではなく、お会いしてからこれまでの実践している姿を拝見すると、第1段階からの段取りの仕方、その進捗の連絡その他の行動等は「この方々は信頼できる」という思いになるのに時間はかかりませんでした。
この方々とこれからもずっと一緒に連携をさせていただければ大変うれしいし、そのことで本来の目的である「障がいのある方への就労支援」そして「自立」に繋がるものと信じております。
ーこの場でお伝えしたいことがありましたらお聞かせください
【はばたき訓】理事長の思いです。
一、きちんとすること
・挨拶や言葉づかい、仕事のこと、整理整頓などはついつい忘れがちになります。これらのことを毎日きちんとこなしていくことです。
一、気配りをすること
・利用者にも職員同士も、来客にも。
一、一人1秒のプレゼント
・障がいのある子がいる小学校のあるクラスの実例です。みんなで運動会のリレーの時に一人ひとりが努力して1秒縮めて優勝しました。チームワークです。
一、アサーティブに
・どうしても人間は周りの人に対して否定的になりがちです。そうではなくまずは肯定的に受け止めようという思いです。
ー現在募集していることや問い合わせ先などを教えてください
【問い合わせ先】
はばたき法人本部
〒321-1272 栃木県日光市今市本町16-9
TEL/FAX:0288-21-3365
Email:habataki@ec6.technowave.ne.jp
共同受注事務局だいち
住所は法人本部と同じ
TEL:0288-25-3384 / FAX:0288-25-3385
Email:jyouhou@ia4.itkeeper.ne.jp
障がい者就労支援施設
自主製品・
役務カタログのご紹介
日光市では、障がいのある方の「働く」を応援するため、市内の障がい者就労支援施設で製造・販売する自主製品や請け負う役務(労務やサービス)についての情報をまとめたカタログを作成しました。イベントで記念品作成を検討される際や、清掃・除草作業を依頼される際など、ぜひ、ご活用ください。
ご活用いただくことが、障がいのある方の就労や自立支援の理解と推進につながります。このページでPDFファイル版をご覧いただけるほか、冊子版を市役所社会福祉課の窓口で配布しています。
特定非営利活動法人
はばたき
※2021年10月時点の情報です。最新情報はホームページやSNSにてご確認ください。
就労継続支援B型
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共同受注事務局だいち
※住所は法人本部と同じ
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まつぼっくり事業所(就労継続支援B型事業所)
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