社会福祉法人

夢ふうせん

工房夢ふうせん

工房夢ふうせんアネックス
夢のいえ

副施設長

笠原 浩昭さま

東京都日野市の社会福祉法人夢ふうせんさんです。

今回は副施設長の笠原さんにお話を聞かせていただき、夢ふうせんは日野市の地域に密着していて地域自体を盛り上げようという意識が高く、規模が大きいのにも関わらず、笠原さんは物腰が柔らかく、福祉に対する目線が優しさに溢れる方でした。


今回、インタビューでもありますように、クラウドファンディングで歌を作り、やまゆり園の殺傷事件については僕も障害ある子を持つ親として心を痛め、このKUDENをやろうと思ったきっかけの事件のひとつであるのですが、夢ふうせんさんは『みんな大事な仲間たち』という社歌を作ったりと、障害を持つ子を持つ親としてありがたく心強い活動をなさっています。

コロナ禍で僕はまだお伺い出来ていないのですが、『ひののめぐみ焼きカレーパン』を食べに行くのを今から楽しみにしています。


佐藤貴浩

(インタビュアー:KUDEN PR/Sena)

ーそれでは自己紹介をお願いします

東京都日野市にございます、『社会福祉法人夢ふうせん』が運営する障害福祉サービス事業所:工房夢ふうせん/工房夢ふうせんアネックス/夢のいえにて副施設長を務めております笠原浩昭と申します。 

ー施設についてご紹介をお願い致します

私ども夢ふうせんが運営する工房夢ふうせん/工房夢ふうせんアネックスは18歳以上の障害当事者の方が仕事を中心とした日中活動を行うための場所です。
利用者(※注:私たちの事業所では通ってきている障害当事者の方々をこのように呼んでいます)の皆さんは毎朝ご自宅やグループホームと言われる共同生活場所から送迎車などを使って私たちの事業所に通って来て下さっています。 

仕事を担って頂いて対価として工賃(給料)をお支払いする事を目的とした事業所ですので、パン・焼菓子・お弁当作りや喫茶店での接客、DM(ダイレクトメール)の封入作業、お菓子の箱詰め、チラシ配りや公園清掃などの仕事をしています。
もちろん仕事以外にも外食・外出活動やリズム体操、絵画・工作などの創作活動や忘年会、夏祭り、クリスマス会など楽しいプログラムもたくさんあります。 

ーどういった方がご利用されるのでしょうか?

主に知的障害のある方、発達障害のある方、重度心身障害のある方(注:知的障害と身体障害どちらもある障害が重度の方)が対象です。
2つの事業所を合わせて105名の定員に対して、現在は98名の方が通って来て下さっています(2021年10月1日現在)。
日中に通ってくる、いわゆる通所の事業所としては結構大きな規模ではないでしょうか。 

通ってきている98名の利用者の平均年齢は33.4歳で、このような事業所としては比較的お若いとは思います。ですので、ご家族もまだご健在で同居している方が多数ですが、様々なご事情によりグループホームなどで生活なさっている方も25名ほどおられます。
食品仕事に携わる方から医療的ケアが必要な方まで、在籍する方の障害の幅が広いという事も夢ふうせんの特徴だと思います。 

およそ100名の利用者を支えるスタッフもおよそ同数の102名(2021年10月1日現在)。利用者と直接関わる支援職のみならず、医療的ケアに対応するための看護師、毎日給食を提供していますので管理栄養士・調理員、送迎運転手、清掃員、グループホーム世話人など様々な職種が連携して利用者の生活をサポートしています。 

▼夢ふうせんさんのホームページ「活動報告より」一部抜粋。より詳しくはホームページにてご覧ください!

ーなぜ現在の職場で働くことになったのでしょうか?

私自身は従姉に知的障害の者がおりましたので、小さな頃から障害者という存在が比較的身近にありました。
元々人と関わる事が大好きで(逆に一人では何して良いか分からない人間なので…(笑))、教員を目指して大学に進み、障害児者と関わるサークルと子ども会サークルを掛け持ちして活動していました。
障害者の方と関わるサークルでは、公共交通機関を使って車椅子の方と外出したり、知的障害のある方々の日中活動の場所で仕事のお手伝いをしたり、講師という位置づけで当事者の方のご自宅に伺い様々なリハビリテーションプログラム(の真似事)を実施したりしていました。
行く先々で当事者やご家族が笑顔で迎えてくれ、旅行なども海や山など色々な所にご一緒させて頂き、美味しいものも沢山頂いて、楽しかったですね~。
今考えても、本当にそれらの活動に『ハマってしまった』という表現が一番しっくりくるかと思います。
どちらのサークル活動も楽しくて仕方がなかったのですが、仕事としてどちらかを選ばなければならない状況となった時に迷って、迷って決めたのが障害者に関わる仕事でした。 

私が勤務する現在の職場夢ふうせんは、今でこそ105名の定員をお迎えする事ができる規模の事業所を運営する社会福祉法人ですが、実はまだ歴史としてはそれほど長くはありません。
元々は日野市内で活動していたいわゆる小規模な『無認可』の3つの団体が合併してできたのですが、これらの3つの団体の成り立ちとしては、自分の子どもの学校卒業後の行き場を案じた保護者が、自らの手で我が子の居場所を創り出し運営してきたという経緯があります。
私自身はこの3つの団体のうち、学生時代に『虹の家』という施設にボランティアに行っていましたし、卒論作成で『工房サライ』という施設にも行き結果的にそこに就職しました。
つまり母体となった3つの団体のうち2つとは既に長いお付き合いがあったという事になりますね。
今この事業所で働いているのは、敷かれたレールの上を走ってきたという感覚とでも言いましょうか(笑)、大学時代にピアノの授業が嫌でボランティア先に逃避していた事が結果的に今の自分を作ったという事になります(笑) 

ー現場から届けたい思い、やりがいや難しい点などお聞かせください

私自身はボランティア経験の『楽しい』を入口に障害当事者と関わる事を仕事として日々取り組んできましたが、もちろん楽しいと思う気持ちだけで全てが乗り切れる訳では当然ありません。
障害者支援には一言で支援といっても本当に多くの意味が込められており、その人にとって本当に必要な事を見極めていくというプロセスが欠かせません。そのプロセスでは当事者を中心にして、ご家族・関係者・支援機関など多くの人たちが関わって環境を整えていく事とも言い換える事ができると思います。
支援の結果としてその人自身の生活がより良い方向に進み、笑顔が多く見られるようになった、などという場合は本当にこの仕事をしていて良かったと思える瞬間ですし、私自身今まで何度も立ち会ってきました! 

しかし、こんなに『楽しく』、工夫次第でこんなに『やりがい』のある障害者支援の仕事は、世の中一般的にはなりたい職業ランキングでは圏外中の圏外ですよね、、障害者支援の仕事って不人気だなと、、世の中的には障害者という存在は、自分とは関係ない世界の人だ、という感覚の人が多いのでしょうか。
これだけ医療が進歩し、医療的なケアを受けながら元気に生活されているお子さんが増えた事、歳を取ればいずれは何かしらの障害を負う事を考えても、親はおろか、自分自身にとっても障害は遠い世界の話ではないはずですよね?なぜ我が事として捉える事が難しいのでしょうか。


誰しも自分の周囲から何らかの支援を受けて生活しています。
障害当事者と関わった事がある方は、そのような意味からも我々と変わらないという事に気付けるのではないでしょうか。
配慮や支援が必要である事は、全ての人に共通であると。障害者だけが特別に支援が必要な訳ではないと。

ー未来への思い、将来への展望を教えてください

私もこの業界で年数を重ねる中で立場的には、これからの障害福祉を担っていく若い人たちの育成が仕事の中核となってきました。
あの人に支援してほしいから夢ふうせんに通いたい!と言ってもらえるような職員を育てていきたいと考えています。先ずそのためには、自分がそのように思ってもらえるような支援を心掛けて、色々な方から信頼を得ていかねばならないと強く感じています。 

 
法律などの対象を考える中で、便宜上は『障害者』とそれと対になる言葉としての『健常者』という区別の仕方が存在しているのだと思いますが、私自身はやはりその分け方に違和感があります。
理想かもしれませんが、支援は誰にとっても必要ではあるし、『人』として捉えればそもそも区別して捉える必要がないのではないだろうかと考えるからです。
彼ら・彼女らと過ごす事が本当に楽しくて、(もちろん楽しくない事もありますが)、色々な魅力を持っている事を発信して、『まだその魅力に気付いていない人たち』に沢山伝えていきたいと私は考えています。 

そのためには、自分と同じように障害者支援の仕事を心から誇りに感じられるような人材が自分の組織内外にも沢山育ってきて、障害のある方を区別してわざわざ支援の対象とするのではなく、お互いに支えあえる存在となれれば、究極的には障害者支援という仕事が無くなるのにな、とも感じています。 

ーなぜこのKUDENチャリティーに参加してくださったのでしょうか?

職業柄、たくさんの障害児者のご家族とお話をさせて頂き、たくさんのご家族の想いに触れてきました。
今回お声掛け頂き、私たちの法人の成り立ちと同じように親の想いを出発点にしている事、具体的には佐藤さん自身のお子さんへの想いや、その想いを実現していく為の道筋を明確に打ち出して多くの方を巻き込んでいこうという姿勢に強く共感した事がこのチャリティーに参加させて頂く事になったきっかけでもあります。

また私自身が常々感じている部分として、福祉の人間は自分たちの行っている取組や実践を目に視える形にして発信する事が比較的苦手であるという感覚を持っていまして。
世の中に向けて色々と伝えていく事が上手くないと言いますか、より多くの方に共感してもらえるような取組も実はたくさんしているのにな…と。
ですので、このような大きなプロジェクトに参加させて頂く事を通じて、このような世の中に向けた発信が上手な多くの皆さんとご一緒させて頂く事で、夢ふうせんの名前を世界中に方に知って頂くための第一歩にできるかもしれないというワクワクした気持ちも、このチャリティーに参加する気持ちを後押しした部分であると感じています ! 

ーこの場でお伝えしたいことがありましたらお聞かせください

私たちの法人が行ってきた社会に向けて発信してきた取組の一つに、『華麗になるひののめぐみ焼きカレーパン』の存在があります。
これはどのようなモノであるかというと、2012年、障害者施設の事業開拓を支援する日野市の事業体である『日野わーく・わーく』と共に私たちが開発した商品で、日野産の柿とトマトを使った油で揚げないヘルシーな焼きカレーパンです。

▲日野市ホームページより引用『ひのにはうまい焼きカレーパンがある!』


もともとは植え替えのため廃棄されていたトマトと、現在は流通しておらず生やしたままになっていた柿の有効活用として産声をあげました。

地産地消をコンセプトに、日野市内B級グルメコンテストで準優勝。
その後多摩地域の物産が集まる多摩フェスティバルに出店した事をきっかけに東京代表に選出され、ニッポン全国物産展ご当地おやつランキングに出品。
見事にこの年に準優勝=全国2位に実績を上げました。


この実績をもとに現在までの間、日野市では『ひのにはうまい焼きカレーパンがある!』を旗印に市内外様々な所に出店し、日野市のシティーセールスの一端を担ってきました。
元々は障害者就労支援の我々から始まった取組が、農業者の方の繋がり、商工業者・観光等と協同し、学生など地域の方々も巻き込みながら、日野市を一つにするムーブメントにまで成長してきたという取り組みです。 

▼『ひののめぐみ焼きカレーパン』は就労継続支援B型/生活介護

施設 房夢ふうせんに併設している『ショップゆめ』でもお買い求め頂けます

もう一つは、夢ふうせんの社歌である『みんな大事な仲間たち』の取組です。
これは、2016年に発生した津久井やまゆり園における殺傷事件に心を痛めた当時の理事長の発案により、お題目になり理解が浸透しにくい社会福祉法人の理念について、利用者皆さんにもなじみが持てるようにより平易な言葉に置き換えて、メロディーを付けて歌にするという取組をクラウドファンディングで成功させたというものです。CDを1,000枚作成して、希望する全国の施設に発送してきました。
歌って下さっているのは、日野市出身のシンガーソングライター『SIO』さんで、障害当事者への差別や虐待を無くすための一助となれば、という事で様々な場面で歌って下さっています。

▼夢ふうせんの社歌である『みんな大事な仲間たち』



私たちの法人は、この2点の取組を軸に、子ども食堂や高齢者の配食事業など、『障害当事者の方の働く力が地域の活性化に寄与できる』という事を発信し続けています! 

(コロナ禍により、現在活動は様々な形で制限を受けてしまっている状況にはあります。) 

ー現在募集していることや問い合わせ先などを教えてください

今後、新たなるグループホームの運営など様々な事業展開を検討しております。
直接利用者と関わる支援職のみならず、グループホームの夜勤スタッフ、高齢者配食運転手、調理スタッフなど様々な専門スタッフの募集を実施しております。
楽しみながら一緒に障害者支援を行っていける若い力を大募集中です!夢ふうせんで一緒に成長していきましょう!(問い合わせ先 副施設長:笠原浩昭) 



社会福祉法人 夢ふうせん

工房 夢ふうせん

※2021年10月時点の情報です。最新情報はホームページやSNSにてご確認ください。

就労継続支援B型

生活介護

共同生活援助

東京都日野市で活動する知的障害者・重症心身障害者施設です(生活介護・就労継続支援B型)

●施設概要

〒191-0065

東京都日野市旭が丘2-42-12

JR中央線「豊田駅」北口より

・バス「八王子駅北口」行き「首都大学東京入口」バス停より徒歩5分

バス「平山工業団地循環」「旭が丘」バス停より徒歩5分


TEL: 042-587-8630
FAX: 042-583-0766

●お問い合わせメールアドレス

yume1219@jcom.zaq.ne.jp

●サービス提供日時

利用日(基本) | 月曜日から金曜日 

利用時間(基本) | 平日:8時30分から17時15分

 

休日(閉館日)(基本) | 休日通常:土曜日、日曜日

休日年間:124日  

●定員

2つの事業所を合わせて105名

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