私たちの縫製パートナー株式会社マロンがファッション業界全体の問題である下請け企業へのコスト圧縮などの影響により倒産しました



May 23, 2019
Takahiro Sato
Gerbera Design inc. Designer / CEO



皆様、いつもKUDENを応援してくれてありがとうございます。
デザイナーのTakahiroです。

今日は皆様に重要なお知らせがあります。

昨日、私たちが愛してやまない大切な縫製パートナーのマロンが、 倒産したと社長より私に電話がありました。

私は、今、静かに怒っています。
わがままで未熟なファッションの消費者だった自分に。


2013年4月にバングラデシュのラナ・プラザで劣悪な労働環境が引き起こした、死者1000人越えの悲しい縫製工場の事故から、ファッション業界は環境や服を作る人々の労働環境への意識が高まったはずなのに、未だに日本でも世界でもファッションの生地や縫製に関わる労働環境は良くなっていません。

これは私も含む、消費者が「安く」「早く」「より品質の高い物」を望み、ファッションを浪費し続けてきた結果です。
ブランドはその「要望に応えよう」=「稼げる」という流れをつくり、
良い物は安く作れるはずも無く、ブランドが大量生産し、
人件費の安い国の縫製工場などへ適正な報酬を支払わず、
ブランド価値の棄損を恐れて大量に廃棄する。
ブランドだけが利益を独占する状況が、
ここ近年のファッション業界の現状です。
マロンは女性と高齢者がいきいき働き、
とても縫製技術が高く、私たちのSamurai Mode Jacketは、
彼女達の技術や経験からのアドバス無しでは完成することは無かったでしょう。

私はマロンの社長から電話をもらった時、
ただ静かに、
「お疲れ様でした。一人も従業員をリストラしたくないと貴女が踏ん張って経営されていたことを心より尊敬いたします」

そう伝えるのが精一杯でした。

私たちは、縫製工場の現状を憂い、
KUDENでは、マロンに他のブランドより高い縫製工賃をお支払いするよう努めて参りました。
(KUDNEの縫製工賃を含む原価率は50%。その他のブランドは10-30%程)

そして、もっとKUDENを大きくし、たくさんのお仕事をマロンさんに
お願いするからねと、縫製工場のおばちゃん達にいつも話していました。

でももう、マロンもこの世にありません。
マロンの従業員も新し仕事を探さなくてはいけません。
高い縫製技術が、若い世代に受け継がれること無く、ここで途絶えました。

私たちは間に合いませんでした。
スタッフと泣きながら、私たちに何が出来るか一晩中語り合いました。



そして私たちKUDENは決意しました。

KUDENは、縫製や生地などの製造や生産に関わる人の労働環境や自然への影響を徹底的に考え抜く「エシカル」なブランドへと生まれ変わる事を。

KUDENのブランド名の由来は日本語の「口伝」に由来しています。
この言葉は、「口で伝え、教え授けること」という意味です。

私が、KUDENのブランドにこの名を付けた理由は、
「KUDEN 大切な人に伝えたくなるもの」という願いを込めています。
私は愛する息子に、父親として、誰かの犠牲の上で作られた服を着せたくはありません。

私は誰かを犠牲にしたファッションは、
どんなにハイブランドでもどんなに有名なデザイナーが手掛けた見栄えの良い服だとしても、一円たりともお金を支払うつもりはありません。
息子に恥ずかしい生き方は出来ないから。

そんな気持ちの消費者の行動を表す言葉として、エシカルという用語があります。

「エシカル」=直訳すると「倫理的」という意味です。
KUDENでは生産に関わる人々の生活や地域、自然環境に配慮してモノやサービスを買うことを「エシカル」と表現し、積極的に実践して参ります。

既に「エシカル」というワードは社会問題として認識されるようになっており、実はその実態は玉石混合です。
今まで大量生産、大量消費をリードしてきたファストファッションのブランドでさえ、 「●●はエシカルへ」と実態の薄いエシカルを商売の為に標榜する大きな自己矛盾の状況です。
エシカルについては、いろいろなアプローチや考え方があり、
一概にこれが正しいエシカルというような安易な答えがある訳ではありません。
私たちKUDENは、絶えず学び、何がエシカルかにについて、考え実践し続けて参ります。

ここまで聞いて、
既に持っているファストファッションやハイブランドの服にハサミを入れようとしてくれてる方へ、

ちょっと待って欲しい。

新しい服を買うときに、誰かを犠牲にするようなブランドの服をは私も絶対に今後は買わない。
けれど、既にあるその服は、誰かの犠牲の上でできあがった服だけど、
だからこそ着られるまで着続けて行くのが、
その方達の血や命で出来上がった服を大切に扱うという事もエシカルだと私は考える。


KUDENは自然環境や労働環境に配慮したエシカルを軸に
「エシカル+Mode」というコンセプトで新しくのファッションをデザインしていきます。
私たちはお客様の代わりに、生地や縫製が自然環境や労働環境を遵守しているかなど、
代わりに調べ情報を提供し、商品を作りお届けすることが私たちのブランド仕事です。

それを透明性を持ってお客様に公表し、
お客様自身が判断出来るような情報発信を心がけることを約束します。

そして私はこの「エシカル+Mode」ファッションのことを
大切な人を守る人をSamuraiに見立て、「Samurai Mode」と名付けます。


そしてこのSamurai Modeをお客様に喜んで貰えるよう努力を重ね、
KUDENが大きく成長した時には、マロンの従業員をKUDENで再雇用することを目指します。
ブランドが自社工場をもつことは、とてもビジネスとして難易度が高い挑戦です。
エシカルファッションの代表のエバーレーンでさえ、生産は外注です。
その方がブランドにとって経営リスクが低いことが理由です。

私たちKUDENは新しい時代のファッショや消費の在り方に、
お客様と共に、挑戦して参ります。

今後とも応援頂けますよう、スタッフ一同心よりお願い申し上げます。


KUDEN by TAKAHIRO SATO
Designer
TAKAHIRO SATO


****参考文献****
Open new window, other website.



2013 Dhaka garment factory collapse
...English wikipedia about Lana Plaza

The true cost
...official site of the movie about what is the true cost for product.




連絡事項
●エシカル+Modeと「KUDEN 大切な人に伝えたくなるもの」の2つのコンセプトで、メールマガジンとブログを新しくリニューアルいたします。ぜひお楽しみにお待ちください。(6月より)


●現在のジャケットは、マロンの最後の作品です。在庫限りですので、ぜひ、お手にとって、彼女達の技術の高さを味わってください。

※ジャケットには彼女達に経緯を表して、洗濯タグに、マロンの会社名を印刷しています



▼マロンの最後の作品であるSamurai Mode Jacketはこちら


Newsletter

ニュースレターの登録はこちらから
→Detail more